院内感染を防げ 離島の遠隔診療システム 活用の取り組み始まる

院内感染を防げ 離島の遠隔診療システム 活用の取り組み始まる
新型コロナウイルスの患者を受け入れる病院での院内感染を防ごうと、離島などで取り入れられている遠隔診療のシステムを活用する取り組みが始まっています。
全国の医療機関では、新型コロナウイルスの医療従事者への感染や、患者どうしの院内感染への対策が課題になっています。

こうした中、離島などで取り入れられている遠隔診療のシステムを使って医療従事者と患者の接触を減らす取り組みが、先月から千葉県の病院で試験的に始まっています。

このシステムは大手警備会社「セコム」の関連会社が開発したもので、今回は病院スタッフを患者に見立てて説明してもらいました。

システムでは、感染病棟にいる患者が血液中の酸素濃度を測る機器や心電計などを装着すると、生体情報がネットワーク上に送られます。

医師はスタッフステーションなど感染病棟から離れたところで、パソコンで生体情報を確認しながら、ビデオ通話で患者に呼びかけて診察します。病棟にいる看護師にもビデオ通話で指示をして聴診器を患者に当ててもらい、心音や呼吸音などを聴くこともできます。

これによって、感染病棟に入る回数は、医師は緊急時などを除いた最小限に抑えられていて、看護師も緊急時のほか、採血や患者には扱いが難しい機器を操作する時などに回数を減らすことができています。

また、入院や治療をする際には患者に同意書にサインしてもらっていますが、書類に付着したウイルスが拡散する可能性があるため、同意書なども端末のカメラで撮影して電子化し、やり取りしているということです。

病院の院長は「患者と接触する回数を減らし、感染のリスクを下げることができている。足りない状況になっている防護服を節約できるのも大きい」と話していました。

離島の在宅医療システムが 院内感染防ぐ?

この遠隔診療システムは、大手警備会社「セコム」の関連会社が、ひとり暮らしの高齢者が増えて在宅医療の機会が多くなることを見据えて、おととし開発しました。

離島での在宅診療にも活用されていて、去年からは鹿児島県の徳之島で、中核病院を起点に島の全域で在宅医療が行われる際にも使われています。

新型コロナウイルスの感染が広がる中で、院内感染を防ぎ医療従事者を感染から守る方法として試験的な導入が始まりました。

システムを開発した「セコム医療システム」の小松淳社長は「当初想定しなかったニーズだが、医師から相談を受けて試験的に使ってもらい、医師からはいい評価をいただいて役に立てていると感じる。今後発熱外来でも使ってみたいという新たな提案もいただいているので、さらにわれわれの機能を充実させたい」と話していました。