WHO総会 国際社会が一致した対応とれるか不透明 新型コロナ

WHO総会 国際社会が一致した対応とれるか不透明 新型コロナ
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新型コロナウイルスへの対応で、国際的な協調が喫緊の課題となる中、年に一度、開催されるWHO=世界保健機関の総会が日本時間の18日午後7時から始まります。総会は、2日間にわたって、オンラインのテレビ会議で行われますが、「WHOは中国寄りだ」として非難するアメリカは、初動対応についても批判的な立場で、国際社会が一致した対応を打ち出せるのかどうかは不透明な情勢です。
年に一度、194のすべての加盟国が参加するWHOの年次総会は、日本時間の18日午後7時から始まる予定で、オンラインのテレビ会議形式で行われます。

今回は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を抑え込むために、治療薬やワクチンの開発、それに医療物資の流通などで、国際的な協調を進めることができるのかが最大の焦点となります。

ただ、アメリカは、新型コロナウイルスへの対応をめぐり、「WHOは中国寄りだ」と非難しており、初動対応についても詳細な調査を求めるなど、批判的な立場をとっています。

さらに、総会にオブザーバーとして参加を求める台湾をめぐっても、支持するアメリカなどと反対する中国の対立も激しくなっています。

台湾の衛生当局の担当者は、NHKの取材に対し、日本時間の18日午前11時現在、「WHO側から招待状は届いていない」と述べています。

新型コロナウイルスへの対応で、国際的な協調が喫緊の課題となる中、WHOを舞台に米中の対立が続いており、国際社会が一致した対応を打ち出せるのかどうかは不透明な情勢です。

菅官房長官「公平で独立した検証が重要」

菅官房長官は、午前の記者会見で「新型コロナウイルスのような世界に甚大な影響を与える感染症は、WHOを中心に国際社会が一致して対応すべきだ。今回の総会も、国際社会の協力に向けたメッセージを発信するいい機会になると期待している」と述べました。

また、台湾の参加について「わが国としては、従来より、感染症など、国際保健の課題への対応に地理的空白を生じさせるべきではないと考えている」と述べました。

そして、「今回と同様の事態に備えていくためにも、WHOの機能については、事態の収束後に十分な検証が行われなければならない。検証結果は、各国や国際社会が納得するものであるべきで、公平で独立した包括的な検証が重要だ。検証の開始時期や参加者などについては、今後、関係国間で議論していくことになる」と述べました。