約8割の病院で経営悪化 新型コロナで外来や入院の患者数減少

約8割の病院で経営悪化 新型コロナで外来や入院の患者数減少
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国の病院のおよそ8割で、外来や入院の患者数が減少して経営が悪化し、特に新型コロナウイルスの入院患者を受け入れた病院では、悪化がより深刻になっていることが全国の医療機関でつくる団体の調査で分かりました。団体は「経営悪化で今後の感染症の対応が適切にできなくなるおそれがある」としています。
調査は全国の病院でつくる全日本病院協会、日本病院会、それに日本医療法人協会の3つの団体が今月、加盟する病院を対象に行い、1100余りの回答を得ました。

この中で、ことし2月から先月までの外来や入院の患者数について尋ねたところ、およそ8割の病院が去年の同じ時期に比べて減少したと答えました。

特に新型コロナウイルスの入院患者を受け入れている病院では、患者数の減少幅がより大きく、これに伴って先月の利益率は、平均で10%以上のマイナスになっているということです。

また、院内感染が起きるなどして一時的に病棟を閉鎖した病院では、患者の減少幅や利益率のマイナスがさらに大きくなっているということです。

背景には感染をおそれて、ほかの病気の患者が受診を控えたことや新型コロナウイルスの入院患者の受け入れに伴って、感染防止のため使用できるベッドの総数が減ったこと、外来や救急の受け入れを制限せざるを得なかったことなどがあるということです。

全日本病院協会は「新型コロナウイルスの患者を受け入れる病院の経営が立ちゆかなくなると、この先、第2波、第3波が来た時に適切に対応できなくなるおそれがある。国による緊急的な助成が必要だ」としています。