IEA 石油の需要予測 やや引き上げ 各国で経済活動再開

IEA 石油の需要予測 やや引き上げ 各国で経済活動再開
各国で新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために制限されていた経済活動を再開する動きが広がり始めたことを受けて、IEA=国際エネルギー機関は、ことしの石油需要の予測を4月の時点よりやや引き上げました。
ことし1年の世界全体の石油需要についてIEAは先月の時点で、去年と比べて日量930万バレル、率にして9%余り減少するとの見通しを示していました。

その後、各国で外出や経済活動の制限を緩和する動きが想定よりも早く広がり始めているとして、14日に発表した新たな予測では、減少幅を日量860万バレルに縮小しました。

一方、供給量は主な産油国が減産に乗り出したことから今月は9年ぶりの低い水準になる見込みです。

こうしたことから先月、供給過剰への懸念が強まって先物価格が一時、マイナスになるなど大きく混乱した国際的な原油市場はこのところ落ち着きをみせています。

ただ、前年に比べた需要の減少が過去最大の規模になる見通しであることは変わっていません。

IEAはこのまま市場が安定するかは不透明だとしていて、感染が再び急拡大しないようにしながら経済活動を軌道にのせていけるかが最大の課題になると指摘しています。