金融機関の新型コロナ影響を注視 日銀 黒田総裁

金融機関の新型コロナ影響を注視 日銀 黒田総裁
日銀の黒田総裁は講演で、新型コロナウイルスの影響で金融機関の経営が悪化して、企業への貸し出しが滞るような事態になれば、景気をさらに押し下げるリスクがあるとして、状況を注意深く見ていく考えを示しました。
日銀の黒田総裁は14日、新型コロナウイルスの感染拡大が経済に及ぼす影響や景気の先行きについてオンライン配信で講演しました。

この中で黒田総裁は、売り上げや収益の減少で大企業・中小企業とも資金繰りが悪化し、景気は厳しさを増しているという認識を示し、「金融システムにかかるストレスは高まっている」と指摘しました。

さらに「感染拡大の影響が長引いた場合は、実体経済の悪化が金融システムの安定性に影響を及ぼし、それが実体経済へのさらなる下押し圧力になるリスクがある」と述べ、金融機関の経営が悪化して企業への貸し出しが滞るような事態にならないよう、状況を注意深く見ていく考えを示しました。

そのうえで「必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる方針だ」と述べ、景気の悪化を防ぐために思い切った対応を取る姿勢を強調するとともに、企業の資金繰りを支援する新たな制度を導入するため、来月中旬に予定している次の金融政策決定会合を待たずに臨時の会合を開き、対応を急ぎたいという考えも示しました。