緊急事態宣言 39県の解除方針は妥当 諮問委員会 新型コロナ

緊急事態宣言 39県の解除方針は妥当 諮問委員会 新型コロナ
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緊急事態宣言の解除をめぐり、政府が専門家に意見を聴く「諮問委員会」が開かれ、東京や大阪など8つの都道府県を除く、合わせて39県で解除するとした政府の方針は妥当だとする見解が示されました。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の解除を前に、政府が、感染症の専門家などに意見を聴く「諮問委員会」が午前10時半ごろから開かれました。

冒頭、西村経済再生担当大臣は、「特定警戒都道府県以外の34県、および特定警戒都道府県のうち茨城、石川、岐阜、愛知、福岡については、3月中旬から感染拡大が始まる以前の状況にまで、新規感染者数が低下しつつあることが確認された。また、医療提供体制や監視モニタリングの体制の状況からも、緊急事態宣言を解除することが妥当と判断されるのではないかと考えている」と述べ、東京や大阪など8つの都道府県を除く、合わせて39県で解除する方針を諮問しました。

このあと、西村大臣は記者団に対し、39県で解除する政府の方針は妥当だとする見解が示されたことを明らかにしました。

また、新たに集団感染が判明した愛媛県については、感染経路の調査を行い、速やかに報告することを条件に解除することになったということです。

これを受けて午後、衆参両院の議院運営委員会で報告と質疑が行われたあと、安倍総理大臣が記者会見し、解除の理由などを説明することにしています。

その後、対策本部で宣言の解除を正式に決定することにしています。

西村経済再生担当大臣は諮問委員会終了後、記者団に対し、医療機関での集団感染が確認された愛媛について「いわば条件付きの解除だ。私が、諮問委員会の最中に中村知事とやり取りをしてお伝えした。院内感染なので、感染経路が東京などの大都市からのものか、あるいは市中感染があるのか非常に大事な点なので、調査を徹底的に行ってもらい速やかに報告してもらいたい」と述べました。

岡部会長代理「総合的に判断が妥当」

諮問委員会の会長代理を務める川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「基本的対処方針で示された解除の目安の数字を上回ったり、下回ったりしただけで、緊急事態宣言の解除の白黒がつくのではなく、医療提供体制や検査体制などで総合的に判断するのが妥当だ」と述べました。

また、岡部氏は新たに集団感染が判明した愛媛県について「委員会のなかでずいぶん議論になったが、例外的に宣言の解除を認めたのではなく、他の県と同じ判断基準で、解除が妥当という結論になった」と述べました。

東京財団政策研究所 小林研究主幹「検査体制拡充を主張」

今回から新たな委員として、初めて諮問委員会に出席した東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹は「きょうは、検査体制を拡充するよう主張した。感染状況が落ち着くまでは今の状況を続けるしかないので、オンライン化など非接触型の新しいビジネスを開発して、ある程度収益が得られるよう考えていくしかない。経済の専門家としての視点を盛り込むことができたと思う」と述べました。

神奈川 黒岩知事「怖いのは人の流れ」

諮問委員会に出席した神奈川県の黒岩知事は「緊急事態宣言の解除や再指定を行う際の基準が示されたことについては評価したい。いちばん怖いのは、解除によって人の流れが起きることだ。特に、特定警戒都道府県とそれ以外の県の間で移動が始まると、感染がまた広がる。『都道府県を越えた移動は、とにかく控えてください』ということを、強く呼びかけてほしい」と述べました。

また、黒岩知事は「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり0.5人程度以下」という解除の判断の目安について、「来週21日までに達成するのは容易ではない。県民には『もう少し我慢してほしい』と呼びかけたい」と述べました。