災害時の避難所でコロナ感染防止 ボランティア団体が冊子作成

災害時の避難所でコロナ感染防止 ボランティア団体が冊子作成
災害時の避難所で新型コロナウイルスの感染の拡大を防ぐため、災害ボランティアの全国団体が避難生活に役立つ情報を冊子にまとめました。避難する人が、災害で物資が足りない場合にできる工夫なども盛り込まれています。
この「新型コロナウイルス避難生活お役立ちサポートブック」は、全国災害ボランティア支援団体ネットワークが避難所を運営する人や避難する人を対象にまとめました。

この中では、避難する人にマスクの着用や手洗い、アルコール消毒の注意点を伝えたうえで、断水し、せっけんもない場合はペットボトルの水やウェットティッシュで手洗いをすることや清掃に使うアルコールがない場合は台所用の合成洗剤で代用できることもあるなど、災害時に物資が足りない時にできる工夫も盛り込まれています。

また、避難所を運営する人に向けて「ゾーン分け」の考え方を示しています。

学校では、避難してきた人を、受付で「感染者や濃厚接触者」「熱などの症状がある人」「持病などで配慮が必要な人」「症状のない一般の人」の4つの区分に分けたうえで、感染者や症状がある人にはそれぞれ専用の教室を準備し、一般の人は体育館に避難することなどで、新たな感染のリスクを減らせるとしています。

感染者専用の部屋が確保できない場合も、スクリーンやカーテンなどを利用して2メートル程度の高さで空間を区切る工夫をするよう勧めています。

冊子をまとめた専門委員の一人でNPO法人・レスキューストックヤードの浦野愛常務理事は「今は、災害時に全国各地からボランティアが駆けつけるのは難しく、地域の人や自治体だけでの避難所運営も必要になる。

この冊子では、知識がない人でもまず必要なことのとっかかりが得られるので、ぜひ参考にしてもらいたい」と話していました。

団体では、自治体の職員や災害ボランティアの人向けに、冊子をもとにした避難所運営についてオンライン研修を行うことにしています。