日本製鉄 過去最大4315億円の赤字決算 米中摩擦など影響

日本製鉄 過去最大4315億円の赤字決算 米中摩擦など影響
鉄鋼最大手の日本製鉄のことし3月期の決算は、アメリカと中国の貿易摩擦を背景に鉄鋼の市況が悪化したことなどで最終的な損益が4315億円の赤字に転落し、過去最大の赤字決算になりました。
日本製鉄のことし3月期の決算は、売り上げが前の年より4.2%減って5兆9215億円、最終的な損益は4315億円の赤字で過去最大の赤字となりました。

これは、アメリカと中国の貿易摩擦を背景に世界の鉄鋼需要が減少したことなどから収益が悪化したことに加え、老朽化が進む国内の製鉄所の資産価値を見直して4000億の特別損失を計上したためです。

日本製鉄の橋本英二社長は「この数年間の努力不足が積み重なって巨額の赤字を出したことは反省せざるをえない」と述べました。また、今年度の決算の見通しについては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が現時点で見通せないため非公表としました。

橋本社長は新型コロナウイルスの影響について、ことし1年間の国内の粗鋼生産量は8000万トンに届かず、リーマンショックの直後で生産が9644万トンまで落ち込んだ2009年を下回るという厳しい見方を示しました。

そのうえで、今後の需要動向によってはことし2月に発表した広島県の製鉄所の全面閉鎖などの合理化にとどまらず、さらに踏み込んだ生産体制の見直しが必要になるという考えを示しました。