大手商社の業績にも新型コロナ影響 住友商事と三菱商事が減益

大手商社の業績にも新型コロナ影響 住友商事と三菱商事が減益
新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大手商社の業績にも及び、住友商事と三菱商事の昨年度1年間の決算は最終利益が減る減益決算となりました。
住友商事は新型コロナウイルスの感染拡大の影響がアメリカのシェールオイルの開発におよび、現地で展開する鋼管事業で損失が発生したことなどから、最終利益が1713億円と前の年度より1500億円近く減りました。

三菱商事も取り引きしている金属価格の下落や自動車の販売減少が響き、最終利益は5353億円と550億円余り減りました。

今年度の業績の見通しについて両社は「新型ウイルスの影響額を算定することは困難」などとして「未定」としました。

三菱商事の垣内威彦社長は電話による決算会見で「新型ウイルスの影響は世界経済にかつてないダメージを与え回復には長期戦を覚悟する必要がある」と述べました。

一方、伊藤忠商事はデパートの休業などでアパレル関連の販売が振るわなかったものの食料分野の利益が増え、最終利益は前の年度並みの5013億円を確保しました。

ただ今年度は世界同時不況に備える局面だとして、最終利益は前の年度より20%少ない4000億円と見込んでいます。

伊藤忠商事の鈴木善久社長は会見で「当面はコロナとともに生きる『ウィズコロナ』の時代になる。ビジネスのオンライン化を急ぐなど環境変化への対応を進めていきたい」と述べました。