新型コロナで人出に変化 絶滅危惧種への影響心配する声

新型コロナで人出に変化 絶滅危惧種への影響心配する声
新型コロナウイルスの影響で、遠出を控えた親子連れが住宅地の自然豊かな場所に多く訪れ、なかには繁殖期を迎えた絶滅危惧種の生息に影響が出ないか、心配する声も聞かれます。
東京 多摩地区の住宅地に程近い自然公園には、冷たく透き通った湧き水が流れていて、ドジョウの仲間で絶滅危惧種のホトケドジョウや、希少な水草のナガエミクリが生息することから、住民グループが15年前から保全活動を続けています。

気軽に自然に親しんでもらおうと立ち入りの制限などは行わず、ふだんから親子連れが魚取りなどの水遊びを楽しんできましたが、ことしの春は訪れる人の数が急増しているということです。

こうした中、産卵期を迎えているホトケドジョウを絶滅危惧種と知らずに取り過ぎてしまうおそれがあるほか、護岸が崩され川底の生息場所が埋まったり、水草が踏みつけられて抜けてしまったりしているということです。

スマートフォンの位置情報のデータから、東京都内のホトケドジョウの生息地で水遊びができる3か所の人出を調べたところ、ある生息地では4月の最初の日曜日の人出が去年より6割増え、別の生息地では29日、祝日に去年の3倍余りになっていました。

住民グループの代表の女性は「宅地化の中で生き残ってきた貴重な生き物への影響が不安な一方、子どもたちに自然に親しんでもらいたくもあり複雑な思いだ」と話していました。

※データ提供:KDDI・技研商事インターナショナル
(利用者の同意を得て分析したスマートフォンの位置情報データをもとにNHKがまとめました)