トランプ大統領 米中貿易合意の履行状況を来週にも公表へ

トランプ大統領 米中貿易合意の履行状況を来週にも公表へ
アメリカのトランプ大統領は、中国がアメリカ産の農産品などを購入するとした貿易合意の履行状況について来週にも公表することを明らかにしました。トランプ政権は新型コロナウイルスの感染拡大をめぐって中国を追及する姿勢を強めており、貿易問題でも対立を深めて一層の関係悪化につながる可能性もあります。
トランプ政権は、ことし1月中国からの輸入品に上乗せしている関税の一部を引き下げる代わりに、中国がアメリカ産の農産品や石油などの購入を拡大することで合意していますが、トランプ大統領は感染拡大で需要が落ち込む中国への輸出が増えないことに不満を示しています。

こうした中、トランプ大統領は6日、ホワイトハウスで中国側の合意の履行状況を調査していることを明らかにしたうえで、「来週末までにその報告を公表できるだろう」と述べ、来週にも調査結果を公表することを明らかにしました。

またトランプ大統領は、新型コロナウイルスについて「目に見えない敵との戦争で、予防できていれば、アメリカにウイルスが入ってこなくてすんだ」と述べ、中国が早期に対処していれば、感染拡大を防げたという考えを改めて示しました。

トランプ大統領は中国に対し、感染拡大の責任を追及する姿勢を強めていますが、中国側はトランプ大統領がみずからへの批判をかわすために根拠のない主張を続けていると反発しており、貿易問題でも対立を深めて一層の関係悪化につながる可能性もあります。

トランプ大統領「経験したなかで最悪の攻撃」

一方、これに先立ってトランプ大統領は6日、ホワイトハウスで記者団に対し、新型コロナウイルスについて「これはわれわれが経験したなかで最悪の攻撃だ。パールハーバーや世界貿易センタービルよりひどい」と述べ、真珠湾攻撃や同時多発テロ事件を引き合いに出して感染拡大による打撃は深刻だと訴えました。

そのうえで「これは決して起きるべきではなかった。発生源である中国で止めることができたはずだ」と述べ、改めて中国を批判しました。

一方、前日の5日に縮小の検討を始めたとしていた新型コロナウイルスの対策本部について「きのうまではこの対策本部がこれほど支持されているとは知らなかった。ある時点では必要なくなるだろうが、このままにしておく。何人かメンバーを増やすだろう」と述べ、当面は存続させる考えを示しました。