“新生活様式” マスクやテレワーク定着の提言案 専門家会議

“新生活様式” マスクやテレワーク定着の提言案 専門家会議
新型コロナウイルス対策について話し合う政府の専門家会議が4日新たな提言の案を出し、新たに確認される感染者数は、着実に減少に転じつつあるとした一方、再び感染が拡大すれば医療提供体制へのさらなる負荷が生じるおそれがあるため、当面、現在の枠組みでの対策を維持することが望ましいとする考え方を改めて示しました。
その上で、新たな感染者の数が限定的となった地域で、感染拡大を長期的に防ぐための「新しい生活様式」について具体的な例を示し、外出時にはマスクをつけ、人との間隔はできるだけ2メートル空けること、帰宅したらまず手や顔を洗い、手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗うこと、いわゆる「3つの密」を避け、毎朝体温を測るなど健康チェックを行うこと、テレワークや時差出勤といった新しい働き方を定着させることなどを求めました。

また飲食店や商業施設など、業種ごとに感染拡大を予防するためのガイドラインを作成するよう求め、接触と飛まつによる感染を防ぐため、症状がある人の入場制限を行うことや複数の人の手が触れる場所を適宜消毒すること、それに休憩スペースで一度に休憩する人数を減らし、対面で食事や会話をしないことなど、ガイドライン作成の際のポイントを示しました。

具体例 “会議や名刺交換はオンライン 食事も大皿利用避けて”

専門家会議が4日出した提言の案では、新たな感染者の数が限定的となった地域では、再び感染が拡大しないよう長丁場に備えて「新しい生活様式」に切り替える必要があるとして、具体的な実践例が示されました。

まず、一人一人が行う基本的な感染対策として、外出時にはマスクをつけ遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶこと、人との間隔はできるだけ2メートル空けること、会話は可能なかぎり対面を避けること、家に帰ったらまず手や顔を洗い、手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗うこと、流行している地域からの移動を控えることを求めています。

さらに日常生活では、こまめな手洗いや消毒、換気、それに、「密閉・密集・密接」のいわゆる「3つの密」を避けること、屋内でいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用するとしています。

また、生活の場面ごとの例も示し、買い物はひとりや少人数ですいた時間に素早く行うことや、交通機関を使うときは会話は控えめにして混んでいる時間帯を避けること、食事のときは持ち帰りや出前なども利用し大皿を避けることなどとしています。

このほかには、新しい働き方のスタイルを定着させるため、テレワークや時差通勤を行うこと、会議や名刺交換はオンラインで行うこと、対面で打ち合わせをする際には換気を行い、マスクをつけることなどを求めています。

業種ごとにガイドライン “ドアノブやスイッチ注意 入場制限も”

専門家会議が4日出した提言の案では、飲食店や商業施設など、業種ごとに長期にわたって感染拡大を予防するためのガイドラインを作成するよう求め、その際のポイントがまとめられています。

この中では、新型コロナウイルスは接触と飛まつによる感染が主な感染経路だとして、接触する頻度が高いドアノブや電気のスイッチ、それにエレベーターのボタンなどには特に注意し、飛まつ感染については、換気の状況を考慮しつつ、人と人との距離をどの程度維持できるかなどを見て感染のリスクを評価するとしています。

そして、すべての業種に共通する注意点として、密にならないよう施設や店などへの入場者の数を制限することや、発熱などの症状がある人は入場制限すること、消毒液を設置し、従業員はマスクをつけること、施設の換気や消毒を行うことなどを挙げています。

また感染対策の例として、複数の人の手が触れる場所を適宜消毒すること、人と人が対面する場所は透明なカーテンなどで覆うこと、美容院や理容店、マッサージ店など客の体に触れる場合は手洗いをよりこまめに行うことなどとしています。

さらにトイレや休憩スペースでは感染のリスクが比較的高いと考えられるとして、トイレではふたを閉めてから流すよう呼びかけることや、ハンドドライヤーや共通のタオルの使用をやめること、休憩スペースでは一度に休憩する人数を減らし、対面で食事や会話をせず、常に換気をし部屋に入る時と出る時に手洗いをすることなどを求めています。

このほか、ごみを回収するときはマスクや手袋をつけて外したあとは手を洗うこと、高齢者や持病のある人に関わる事業所では、感染した場合に重症化するリスクが高いため、サービスを提供する側はより慎重で徹底した対応をとることなどを示しています。