欧州中銀 金利据え置き資金供給強化へ

欧州中銀 金利据え置き資金供給強化へ
ヨーロッパ中央銀行は30日、理事会を開いて金融政策について協議し、主な金利の水準を据え置いたうえで、金融機関を通じた資金供給を一段と強化することなどで経済を支える方針を確認しました。
ドイツやフランス、イタリアなどユーロ圏19か国の金融政策を担うヨーロッパ中央銀行は30日、理事会を開いて金融政策について協議しました。

その結果、▽金融機関から資金を預かる際の金利を現在のマイナス0.5%とするなど主な金利の水準を据え置くとともに、▽さまざまな資産を買い入れて市場に大量の資金を供給する量的緩和策などの規模を維持しました。
そのうえで、今後の金利については現在と同じかそれより低い水準とすることを確認し、経済の状況しだいで必要に応じて利下げを検討する方針を改めて示しました。

さらに金融機関を通じた資金供給を一段と強化することも決めました。ユーロ圏では、この日発表された3月までの3か月のGDP=域内総生産が、前の3か月に比べ実質で3.8%減少して過去最大のマイナス幅となり、次の3か月は、マイナス幅がさらに大きくなると見込まれています。
ドイツやフランス、イタリアなどは外出や経済活動の制限の緩和に動き出しているものの、依然として経済が元に戻る道筋は見えておらず、ヨーロッパ中央銀行は難しいかじ取りを迫られることになります。

ラガルド総裁「ことし1年の経済成長率5~12%のマイナスに」

ヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁は記者会見で、「ユーロ圏は過去に経験したことのない規模とスピードで経済の収縮に直面している。感染拡大を抑える対策によって経済活動は停滞していて、労働市場は深刻な悪化に向かっている」と述べました。

そのうえでユーロ圏のGDPは、第2四半期にはさらに悪化するとの見通しを示したうえで、「ことし1年間の経済成長率は、5%から12%のマイナスになるだろう。外出制限などの措置の行方しだいだが、どう進むかは極めて不透明なままだ」と述べ、経済への打撃はこれからさらに深刻になるという認識を明らかにしました。