新型コロナ 米で女性医師自殺 医療従事者の心のケア課題に

新型コロナ 米で女性医師自殺 医療従事者の心のケア課題に
アメリカで新型コロナウイルスの感染が最も深刻なニューヨーク市で、感染者の治療にあたっていた40代の女性医師が自殺しました。過酷な現場での心理的な負担が浮き彫りになったという指摘も出ていて、新型コロナウイルスの治療にあたる医療従事者の心のケアが課題となっています。
アメリカのニューヨーク市の病院で、救急部門の責任者として働いていた医師のローナ・ブリーンさん(49)が、今月26日、みずから命を絶ちました。

ブリーンさんは、新型コロナウイルスの感染者の治療にあたっていて、自身も感染しておよそ10日間の治療を受けたあと病状が回復し、現場に復帰していたということです。

ブリーンさんの父親は現地メディアの取材に対し、最後に会話したときは、救急車で搬送されて治療を受ける前に亡くなる患者が数多くいると説明していたということです。

ブリーンさんの父親は「新型コロナウイルスとの闘いの最前線にいた彼女も犠牲者の1人だ」と述べ、過酷な現場での心理的な負担が娘を死に追いやったと訴えています。

また、ブリーンさんが所属していた救急医学会は、ブリーンさんの死で医療従事者が受ける現場での心理的な負担が浮き彫りになったと指摘していて、新型コロナウイルスの治療にあたる医療従事者の心のケアが課題となっています。