ひとり親家庭支援へ 弁当の無料提供 各地に広がる 新型コロナ

ひとり親家庭支援へ 弁当の無料提供 各地に広がる 新型コロナ
新型コロナウイルスの影響で生活が厳しくなっているひとり親家庭を支援しようと、飲食店などが弁当を無料で提供する取り組みを始めています。こうした支援は全国各地に広がりつつあります。
支援団体などによりますと、新型コロナウイルスの影響でひとり親世帯では収入の減少に加え、学校の休校で食費など支出が増加し、生活がより苦しくなっているという家庭が増えているということです。

こうした中、東京・港区六本木のイタリア料理店の経営者で、みずからも母子家庭で育ったという笹裕輝さんは、今月中旬からひとり親家庭を対象に夕食用の弁当の無料提供を始めました。

利用者は徐々に増えていて、27日は午後2時半ごろからスタッフがハンバーグやマカロニサラダなどが入った50食分の弁当を作りました。
そして、スタッフが自転車でひとり親家庭の自宅などを回り、弁当を届けていました。


こうした飲食店による、ひとり親家庭を対象にした無料の弁当提供の取り組みは都内各地をはじめ、京都や福岡などでも行われていて、少しずつ支援の輪が広がってきています。

イタリア料理店を営む笹裕輝さんは「経済的に助かるというだけでなく、人とのつながりができて温かみを感じるという声をもらい、やってよかったと勇気づけられている。僕たちだけではできる範囲が限られているので、ほかにも広がれば困っている人をもっと助けることができると思う。いろんな人を巻き込んでみんな笑顔にできたらいい」と話していました。

シングルマザー「家計はすごく助かっている」

このサービスを利用している30代のシングルマザーは小学1年生の娘と2人で暮らしています。

3年前に夫をがんで亡くし、新宿 歌舞伎町のスナックで働き、生計を立てています。

ところが、新型コロナウイルスの影響で今月1日から店の営業は休止し、収入はゼロになりました。

今はなんとか貯金を切り崩して生活していますが、この状況が続くと貯金も底をついてしまうといいます。

どうやって娘を養っていけばいいのか、不安を募らせています。

母親は「こうした状況がいつまで続くか分からないので今後がとにかく不安で、出費を減らして細々と生活しています。このサービスのおかげで家計はすごく助かっています。子どもも今は食べることが楽しみの1つなので毎日の弁当を楽しみにしています」と話しています。