イスラム系政党幹部の葬儀に10万人 バングラデシュ

新型コロナウイルスの感染拡大で外出が制限されているバングラデシュで、イスラム系の政党幹部の葬儀に10万人以上が参列し、保健相が地元当局の対応を批判する事態となっています。今月下旬にはイスラム教の断食月「ラマダン」が始まり、礼拝などで外出の機会が増えると予想されることから、イスラム教徒が多い国々では警戒を強めています。
イスラム教徒が多くを占めるバングラデシュの東部の都市で18日、イスラム系の政党幹部の葬儀に大勢の人たちが参列しました。

現地からの映像では、葬儀が行われた建物やその周辺で大勢の人々が、マスクをつけずに祈りをささげる様子が確認でき、アメリカのCNNテレビは、複数の当局者の証言をもとに、葬儀には10万人以上が集まったと伝えています。

主催者側の1人は「われわれは政府の指導に従い、安全な形で葬儀をとり行いたかったが、思った以上に参加者が集まってしまった」と話しています。

バングラデシュでは、これまでに2456人が新型コロナウイルスに感染し、91人が死亡したということで、先月から必要最低限の場合を除いて外出が制限されています。

バングラデシュの保健相は、地元メディアに対し「この時期にこれほど大勢の人たちが集まることは悪い影響を与えることになる。このような無責任な行動を起こすべきではなかった」と述べ、人々を制止できなかった地元当局の対応を批判しました。

今月下旬にはイスラム教の断食月「ラマダン」が始まり、イスラム教徒の間で礼拝や買い物などで外出の機会が増えると予想されることから、イスラム教徒が多い国々では警戒を強めています。