首相会見「大型連休 移動自粛を」「診療報酬を倍増させたい」

首相会見「大型連休 移動自粛を」「診療報酬を倍増させたい」
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「緊急事態宣言」の対象地域を全国に拡大したことを受けて、安倍総理大臣は17日夜、記者会見し、人との接触機会を7割から8割減らすとした目標を達成するため、大型連休に向け都市部から地方への移動を自粛するよう重ねて呼びかけました。また医療従事者の処遇を改善するため、感染者の治療などに関する診療報酬を倍増させたいという意向を示しました。
この中で、安倍総理大臣は「1日当たりの新規の感染者数は、まだ減少には至っていない。東京では17日、過去最高の200人を超える感染者の報告があった。大変厳しい状況だ」と述べました。

そして、人との接触機会を最低7割、極力8割削減するという目標について、都市部の平日の人出は、まだ水準には達していないと指摘し、目標が実現できないかぎり、1日当たりの新規感染者数を大きく減少に転じさせることは困難だという認識を示しました。

そのうえで医療提供体制も、ひっ迫しているとして「どうか外出を控え、できるかぎり人との接触を避けてもらいたい。そのことが医療現場を守り多くの命を守ることになる」と呼びかけました。

また、安倍総理大臣は専門家の分析として、先月の3連休に見られた「ゆるみ」などが、全国に感染を拡大させた可能性があるとしたほか「東京や大阪など7都府県では、一部に『コロナ疎開』と呼ばれるような、外の地域への人の動きが見られるとの指摘がある」と述べました。

そのうえで「まもなく大型連休を迎えるが、感染者が多い都市部から地方へ、人の流れが生まれるようなことは絶対に避けなければならない。それは最も恐れるべき事態である『全国的かつ急速なまん延』を確実に引き起こすことになる」と述べました。

さらに「地方には重症化リスクが高いと言われる高齢者が、たくさんいる。その感染リスクが高まれば、地域医療に大きな負担となる」と述べ、人の流入を防ぐため各地域が所要の措置を取れるよう、緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大したと説明しました。

そして「あと20日間、日本全体が一丸となって、このウイルスと戦い抜いていく。全国の都道府県と手を携えて、あらゆる手を尽くしていきたい」と述べました。
また、安倍総理大臣は収入が減少した世帯への30万円の現金給付に代わり、すべての国民を対象に一律で1人当たり10万円を給付することについて「混乱を招いたことは私の責任であり、国民に心からおわび申し上げたい」と陳謝したうえで、緊急事態宣言を全国に拡大し、感染の影響も長引いていることなどから今回の決断に至ったと説明しました。そのうえで「補正予算の編成をやり直すため、さらに1週間程度の時間を要するが、速やかな国会成立に向けて協力をお願いしたい。スピードを重視するとともに、感染リスクを避ける観点から、手続きは市町村の窓口ではなく郵送やオンラインにしたい」と述べました。

さらに、売り上げが減少した中小企業などに対する給付金や税金、社会保険料の支払い猶予で、事業の継続を支援する考えを重ねて示しました。

一方、医療現場での感染リスクを減らすため、医療用のガウンやマスクの調達を急ぐ方針を示すとともに、初診からの「オンライン診療」が今週から認められたことを踏まえ、電話やオンラインでの診察を積極的に活用するよう呼びかけました。

そのうえで「今、この瞬間も、命を救うために懸命に治療にあたっている医師や看護師、医療従事者の皆さんのため、診療報酬を倍増するなど、処遇の改善にもしっかり取り組んでいく」と述べました。