「経済活動再開は優先分野を選びながら慎重に」IMF専務理事

「経済活動再開は優先分野を選びながら慎重に」IMF専務理事
k10012392251_202004170915_202004170918.mp4
IMF=国際通貨基金のトップ、ゲオルギエワ専務理事がNHKとのインタビューで、中国や欧米で、新型コロナウイルスの感染拡大がピークを過ぎたなどとして経済活動を再開させる動きが出ていることについて、優先する分野を選びながら慎重に実行していくべきだという認識を示しました。
ワシントンに本部があるIMFのゲオルギエワ専務理事は16日、NHKの電話インタビューに応じました。

この中で、今月14日に、ことしの世界全体の経済成長率が、1929年に始まった世界恐慌以降で最悪になるという見通しを示した理由について「今回は人類の健康上の危機で、景気を回復させるための従来の需要の喚起策は全く通用しない。今までの危機とは違う」と述べ、事態の深刻さを強調しました。

一方、中国やヨーロッパ、それにアメリカで、感染拡大がピークを過ぎたなどとして経済活動を再開させる動きが出ていることについて「最終的には経済が再開し回復することを望むが、どのように進めるかは注意深く考えるべきだ」と述べ、経済の専門家と医療や感染症の専門家が連携して慎重に進めていくべきだという認識を示しました。

そのうえで「感染が広がるリスクの低い、自動化が進んだ生産現場から再開するなど、優先順位をつけるべきだ」と述べ、再開しても問題のない地域や業種を見極める必要性を強調していました。

日本政府の緊急事態宣言 全国拡大 対応を支持

ゲオルギエワ専務理事は、日本政府が「緊急事態宣言」の対象地域を全国に拡大したことについて「日本はこの危機の当初から断固とした行動を取ってきたが、特に今は、感染の拡大がもたらす経済の悪化から国を守ることが今後の回復のためにも不可欠だ」と述べ、日本の対応を支持しました。

また、所得の低い国に融資するために設けているIMFの基金に日本政府が新たにおよそ5000億円を貸し付けると表明したことについて「日本は発展途上国への支援にリーダーシップを発揮している。日本に感謝している」と述べました。

「中国経済回復には注意が必要」

ゲオルギエワ専務理事は、活動が再開しつつある中国経済の見通しについて「生産部門で回復の兆しが見られるが、娯楽関連やレストランはまだ回復していない。国民はパンデミックによる心理的な影響を受けて、外に出たがっていない」と述べ、経済全体が順調に回復していくかどうかに注意が必要だという認識を示しました。

IMFは、2020年の中国の経済成長率が去年から5ポイント近く低下してプラス1.2%にとどまり、マイナス成長に落ち込んだ1976年以来44年ぶりの低い水準になると予測しています。