米中外交責任者が電話会談 中国側「米中関係の安定が重要」

米中外交責任者が電話会談 中国側「米中関係の安定が重要」
アメリカのポンペイオ国務長官と、中国の外交を統括する楊潔チ※政治局委員が(よう・けつち)電話で会談し、楊政治局委員は、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる中国への批判などで米中関係の安定を妨げないよう求めました。一方、ポンペイオ国務長官は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、中国側にさらに詳しい情報の公開を求めました。
中国の国営メディアによりますと、電話会談で楊政治局委員は、「新型コロナウイルスの感染が世界に拡大する中で、米中関係を安定させることは極めて重要だ」と指摘したうえで、「アメリカが中国とともに協力に重点を置き、妨害を排除し、米中関係を正しい軌道に沿って前進させていくよう希望する」と述べ、中国への激しい批判などで米中関係の安定を妨げないよう求めました。

また、「世界のサプライチェーンの安定を守り、金融の安定を促進したい」と述べて、経済の安定に向けてアメリカと協力していきたい考えを強調しました。

楊政治局委員は、トランプ大統領が14日にWHO=世界保健機関に対する資金の拠出を一時的に停止する考えを明らかにしたことについても、「妨害」にあたるとして再考を求めた可能性もあります。

一方、アメリカ国務省は「ポンペイオ長官が会談で、新型コロナウイルスに加え将来の新たな感染拡大を防ぐため、完全な透明性と情報の共有が必要だと強調した」と発表しました。

ポンペイオ長官は、当初、感染拡大の状況が最も深刻だった中国の湖北省武漢の当時の状況などについて、さらに詳しい情報を公開するよう求めたものとみられます。
※「チ」は竹かんむりに褫のつくり