東京都 総額3574億円の補正予算案 新型コロナ対策

東京都 総額3574億円の補正予算案 新型コロナ対策
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は休業要請に全面的に協力した事業者に対する協力金の支払いなど、新たな対策の費用を盛り込んだ総額3574億円の補正予算案をまとめました。
東京都がまとめた補正予算案は一般会計が3568億円、企業会計が6億円の合わせて3574億円で、6月までに着手する予定の新たな経済対策や感染予防対策の予算を計上しています。

このうち中小企業への支援では、資金繰り対策として1964億円が充てられ、融資枠を拡大するとともに新たに利子の負担を行います。

また、都が要請した休業や営業時間の短縮に全面的に協力した事業者への「感染拡大防止協力金」の支払いに960億円を盛り込んでいます。

医療体制の強化に向けては、軽症患者などを受け入れる宿泊施設を都が借り上げるための費用として108億円、医療機関や社会福祉施設などに提供するマスクの購入に34億円を盛り込んでいます。

このほか、テレワークを行うために機器などを整備した会社への経費の助成として80億円、オンライン学習ができるよう機器を導入するなどした都や区市町村の学校を支援する費用として12億円を計上するなど、在宅勤務や休校中の自宅学習を後押しする事業を強化しています。

さらに、活動を自粛している音楽や演劇、美術などのプロのアーティストに対する支援として、ネット上で発表する作品を公募し採択されれば1つの作品につき最大で100万円の出演料を支給する事業に5億円を計上しています。

この補正予算案は今月17日に開会する都議会の臨時会に提出されます。

今回の補正予算案はリーマンショック後の経済対策を盛り込んだ補正予算の2倍近い規模になっています。

経済活動や生活支える事業強化と説明

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は17日開会する都議会に提出する補正予算案で、経済活動や都民生活を支える事業を強化したと説明しています。

このうち、都が外出自粛を呼びかけていることに伴って客数が減少している飲食店を支援するため、新たに宅配やテイクアウトのサービスを始める場合には、必要な車両などの購入費やテイクアウト用のカウンターや窓口を設置する際の工事費などを100万円を上限に費用の5分の4を補助する事業に4億円を計上しています。

また、活動を自粛せざるを得なくなったプロのアーティストやスタッフに対する支援には5億円を計上しています。

都がネット上で発信する音楽や演劇、美術、伝統芸能などの作品を公募して、採択された場合はアーティストやスタッフに1人10万円を支給します。1つの作品あたりの支給の上限は100万円で、都は4000人への支援を想定しているということです。

さらに、子育てしやすい環境を整備するために都がすでに取り組んでいる事業の拡充に10億円を計上し、妊娠中の女性の感染を防ぐため、移動で使うタクシーチケットやマスクなどを配布するということです。