ロックダウン解除に向け判断材料の抗体検査始まる アメリカ

ロックダウン解除に向け判断材料の抗体検査始まる アメリカ
アメリカでは、外出制限などのいわゆる「ロックダウン」の解除に向け、時期などを判断する一つの要素として住民の「抗体検査」が始まっています。
「抗体検査」とは、人の血液を採取して、血液中に含まれる新型コロナウイルスへの抗体の有無や量を調べるもので、検査したときに症状がなくても過去に感染したことがあるかどうかを知ることができます。

この検査を大規模に実施することで、人口のどれくらいがすでに感染したことがあるかを推定することができます。

アメリカNIH=国立衛生研究所は、全米のおよそ1万人を対象に抗体検査を実施し、実際の感染者の数を推定する研究を始めています。

さらに、一部の州や自治体も抗体検査を独自に実施すると発表しています。

政治家や専門家の一部は「抗体ができている人の割合が多ければ、感染が広がる可能性が低くなる」として、外出制限を緩和する根拠になると主張しています。

一方で、一度感染していれば、再び感染するのを防ぐのに十分な免疫が得られるのかといった基礎的なデータがまだ不十分なほか、人口のどれくらいの割合が新型コロナウイルスへの免疫を備えていれば感染の拡大が起きにくくなるのかもわかっていません。

WHO=世界保健機関の専門家も13日の記者会見で「現時点では、新型コロナウイルスに感染し、回復した人が免疫を獲得したかどうか、その全体像は不明だ」と述べています。

また、新型コロナウイルスの抗体検査キットも開発されたばかりで、信頼性が分かっていないため、抗体検査の結果を基に外出制限などの解除を安易に判断するべきではないと指摘する公衆衛生の専門家も多くいます。