補正予算案早期成立へ野党側に協力要請 衆院本会議で安倍首相

補正予算案早期成立へ野党側に協力要請 衆院本会議で安倍首相
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍総理大臣は衆議院本会議で、緊急経済対策を盛り込んだ今年度の補正予算案の早期成立に向け、野党側の協力を求めました。
衆議院本会議では、新型コロナウイルスの感染予防の一環で、半数程度の議員が本会議場から出て、密集した状態にならないようにして、質疑が行われました。

この中で、立憲民主党などの会派の柚木道義氏は、新型コロナウイルスへの政府の対応をめぐり「『緊急事態宣言』から1週間でこれからが正念場だが、『緊急事態宣言』や緊急経済対策は、遅すぎ少なすぎだ」と批判しました。

これに対し安倍総理大臣は「今のところ諸外国のような爆発的な感染拡大は発生していない状況で、客観的事実として評価するかぎり、諸外国と比しても、わが国の対応が遅かったとの指摘はあたらない」と反論しました。

そのうえで「この難局を乗り切るため、考えうる政策手段を総動員して事業と生活を守り抜く。そのための補正予算案を来週提出する予定で、迅速な支援を実現するためにも、1日も早い成立に協力をお願いする」と述べました。

また、安倍総理大臣は来月中にも、収入が減少した世帯への現金給付を開始するとしたうえで「できるだけきめ細かな対応がどこまで可能か、迅速な給付の実現の必要性と給付の実務を担う市町村への影響も勘案しつつ、具体的な制度設計を進めていく」と述べました。

一方、全国すべての世帯への布マスクの配布について「急速に拡大している需要に対応するうえで非常に有効だ。サージカルマスクなどを医療現場に優先して供給するためにも、理にかなった方策だ」と述べました。

自民 森山氏「1時間でも早く成立を」

自民党の森山国会対策委員長は記者会見で「来週早々に補正予算案を提出してもらい、スピーディーに審議に入れるよう努力しなければならない。夜遅くまで国会を開くことは好ましくないが、経済対策を実施するには地方自治体の準備もあるので、1時間でも早く成立させたい」と述べました。

立民 蓮舫氏「1日ずつでは充実審議できず」

参議院予算委員会の野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は、記者団に対し、「国民の最も関心が高い新型コロナウイルス対策になりえる補正予算案なのか、しっかり精査しなければいけない。衆参両院での質疑が1日ずつでは充実した審議が行えるとは思えず、賛同できない」と述べました。