兵庫県 神戸の病院で集団感染か 県内計329人に 新型コロナ

兵庫県 神戸の病院で集団感染か 県内計329人に 新型コロナ
神戸市にある感染症指定医療機関の病院で、入院患者や看護師など13人が新型コロナウイルスに新たに感染したことがわかりました。病院側は院内で集団感染が起きたとみて、感染者の受け入れを重症の患者にとどめることにしています。
感染が確認されたのは感染症指定医療機関「神戸市立医療センター中央市民病院」の40代の男性、70代の女性の入院患者2人、20代から50代の看護師を含む職員10人、それに清掃スタッフの20代女性1人の合わせて13人です。

このうち入院患者2人については、すでに感染が確認されていた別の70代の女性と人工透析を行う施設などで接触した可能性があったということです。

一方、看護師や清掃スタッフは、軽症の感染者の治療にあたる病棟で防護服を着けて勤務していたということです。

神戸市は病院内で集団感染が起きたとみて、ほかの患者や職員など合わせて30人についてウイルス検査を行うとともに、感染者が出た病棟を閉鎖し消毒を行うとしています。

そして当分の間、新たな外来診療や入院患者の受け入れの休止を決め、感染の可能性のある職員およそ100人を自宅待機させて健康観察を行っています。

感染者の受け入れは重症の患者に限定し、一般の救急の受け入れもほかの医療機関と連携して最小限にとどめるということです。

中央市民病院「救急医療の最後の砦」

「神戸市立医療センター中央市民病院」は、県内の感染症指定医療機関の1つで、これまでに、50人を超える感染者を受け入れています。現在は重症の患者がおよそ10人、軽症や中等症の患者がおよそ30人入院しているということです。

緊急事態宣言を受けた兵庫県の対処方針で、「重症等指定病院」に位置づけられているため、新型コロナウイルスの感染者の治療拠点として、今後も引き続き、重症患者の受け入れを続ける方針です。

ただし、今回、院内で集団感染が起きたとみられることから、病院では、兵庫県災害医療センターや神戸大学医学部付属病院に協力を求め新たな救急の受け入れを最小限にとどめることにしています。

病院は、厚生労働省から全国の救命救急センターの中で最も診療体制が充実しているとして6年連続で評価されるなど、神戸市の「救急医療の最後の砦」として知られていて、今後、地域医療に大きな影響が出ないか、懸念されます。

院長「防御できず大変申し訳ない」

「神戸市立医療センター中央市民病院」の木原康樹院長は、患者や看護師などに感染が広がったことについて「国際的なガイドラインにのっとり、防護服の適切な着脱など院内感染の対策に万全を期していたが、防御できず、大変申し訳ない」と陳謝しました。

そのうえで、「救急患者の受け入れなどほかの病院にも協力を仰ぎ、診療体制を見直して病院機能を再構築し、市民の生命と健康を守る最後の砦としての役割を早期に取り戻したい」と述べました。