OPECなど 原油価格引き上げ目指し減産合意へ詰めの調整

OPECなど 原油価格引き上げ目指し減産合意へ詰めの調整
低迷する原油価格の引き上げを目指して協議しているサウジアラビア主導のOPEC=石油輸出国機構と、ロシアなどの産油国は1日の生産量を1000万バレル減らすことで暫定的に合意したと発表しました。ただ、一部の国が同意しておらず詰めの調整を進めています。
中東のサウジアラビアなどOPECの加盟国とロシアなど非加盟の産油国は9日、原油価格の引き上げを目指して、各国で足並みをそろえて生産量を減らす協調減産に向けた協議に入りました。

世界的に原油価格は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による需要の落ち込みに加え、先月、産油国間の協調減産の協議が決裂したことで価格競争になり、歴史的な安値の水準で推移しています。

この協議についてサウジアラビアやロシアなどは、1日の生産量を来月と6月、世界の原油供給量の1割にあたる1000万バレル減らし、その後は減産の規模を徐々に縮小することで暫定的に合意したと発表しました。

しかし最終的な合意は、内容に難色を示すメキシコから同意を得ることを条件としていて、詰めの調整を進めています。

一方、各国に減産を求めてきた世界最大の産油国アメリカは、今回の協議には加わっていないため、OPECなどには、協議の参加国だけが減産すればアメリカにシェアを奪われるとの強い警戒感があります。

このためサウジアラビアやロシアは、日本時間の10日夜、G20=主要20か国のエネルギー相会合でアメリカなど、ほかの産油国にも協力を求める方針です。