マラリアなどの治療薬で臨床試験を開始 アメリカNIH

マラリアなどの治療薬で臨床試験を開始 アメリカNIH
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アメリカNIH=国立衛生研究所は、マラリアなどの治療薬として使われてきた「クロロキン」の一種について、新型コロナウイルスに感染した患者への治療に効果があるかどうかを調べる臨床試験を始めたと発表しました。
新型コロナウイルスには、効果が十分に確認された治療薬はまだ、ありませんが、効果がある可能性があるとされる既存の薬の臨床試験が世界各国で始まっています。

NIHは9日、マラリアの予防や治療に使われる「クロロキン」の一種、「ヒドロキシクロロキン」の臨床試験を開始したと発表しました。

発表によりますと、臨床試験は入院して治療を受けている、新型コロナウイルスに感染した患者およそ500人を対象に行い、「ヒドロキシクロロキン」を投与した人と、していない人を比較して効果があるかどうか調べることにしています。

「ヒドロキシクロロキン」をめぐっては、トランプ大統領が記者会見で「画期的な薬だ」などと紹介して注目を集めましたが、これまでのところ、新型コロナウイルスに効果があったという報告は限られていて、科学的には効果は十分、確認されていません。

また、心臓や目に重大な副作用が起きる可能性も指摘されています。

一方、アメリカFDA=食品医薬品局は新型コロナウイルスの患者の治療に使えるよう、すでに緊急の承認をしていて、アメリカの医療機関では既存の抗菌薬とともに患者に投与しているところもあります。