バンコク 感染者の増加減少傾向も警戒続く 新型コロナウイルス

バンコク 感染者の増加減少傾向も警戒続く 新型コロナウイルス
タイの首都バンコクでは、食品や生活必需品の販売以外はすべての店舗を休業させるなどの厳しい措置に踏み切った結果、感染者の増加ペースも下がる傾向に転じましたが、タイ当局は、「対策を緩めるわけにはいかない」として、警戒を続けています。
バンコクでは先月中旬、感染者の増加が1日あたり20人を超え、累計の感染者数も100人を超えたことなどから、感染拡大の懸念が強まりました。

このため、地元政府は先月18日、カラオケ店やマッサージ店などの娯楽施設を閉鎖したのに続き、22日からは食品や生活必需品の販売以外はすべての店舗を休業させ、レストランも店内での飲食を禁止して持ち帰りだけを認める厳しい措置に踏み切りました。

その結果、こうした措置を導入した1週間後あたりから、増加ペースは下がる傾向に転じ、9日の発表では、1日あたりの増加が21人となっています。

これについて、タイ保健省疾病管理局のタナラック・パリパット副局長は、NHKの取材に対し、「感染リスクを減らすためには、あいさつの交わし方や生活様式、働き方、会食の方法などその国の文化を考慮に入れることが重要だ」と指摘し、レストランでの飲食を全面的に禁止した背景には、同じ料理を分かち合うタイの食文化が念頭にあったことを明らかにしました。

タイ政府は、外国人の入国制限や夜間の外出禁止などの措置を継続していますが、タナラック副局長は、「ウイルスとの闘いはマラソンのようなものであり、国内、国外を問わずウイルスが残っているかぎりは対策を緩めるわけにはいかない」と述べ、警戒を続ける考えを示しました。