「外で遊んでいない」が25% 外出自粛で子どもたちは…

「外で遊んでいない」が25% 外出自粛で子どもたちは…
新型コロナウイルスによる「緊急事態宣言」で外出自粛などがさらに進むとみられる中、北海道大学などのグループが子どもたちへの影響について保護者にアンケート調査を行ったところ、25%が子どもを外で遊ばせていないと回答しました。
このアンケート調査は、北海道大学大学院などのグループが、先月19日からインターネットを通じて行っているもので、今月1日までに休校や外出自粛の要請などがいち早く行われた北海道を中心に、中学生以下の子どもがいる保護者923人が回答しました。

調査の中間報告によりますと、外出自粛中の遊び場所について尋ねたところ、複数回答で
▽「自宅や友人宅の庭と周辺」が43%
▽「近所の公園」が36%となった一方で、
▽25%の保護者は「屋外では遊んでいない」と答えたということです。

また、どんな情報が必要と感じたかについては、
▽「屋外で安心して遊べる場所」が51%、
▽「家庭での学習方法」が41%などとなったほか、
▽「外出していいかどうか」が分からなかったという保護者も38%いました。

このほか調査では、「外に連れ出したときの周囲の視線が気になる」などの声も寄せられているということで、グループでは子どもへの支援をさらに強化する必要があると指摘しています。

北海道大学大学院の愛甲哲也准教授は「休校などによる家庭での対策に関する情報が届いていない現状が明らかになった。北海道での経験をほかの地域でも参考にしてほしい」と話していました。

アンケートは今月12日まで行われる予定で、インターネットを通じて全国から回答を受け付けるということです。

専門家「状況を丁寧に説明して」

休校措置や外出自粛が続くことによる子どもたちへの影響について、子どもの心のケアが専門の国立成育医療研究センターの田中恭子医師は「学校が楽しいと感じていた子どもにとっては、友達や先生と会えなかったり遊ぶ権利も奪われたりして不安を感じているため、どうしてこのような状況になったのか丁寧に説明することが大切だ」と話しています。

また、子どもはストレスを感じると、腹痛や頭痛など体調に影響が出ることがあるほか、いつもより多く話をしたり、甘えることが多くなったりなど、ふだんとは違う行動に出ることがあるということです。

これについて田中医師は「こうしたことは自己防衛のために起こるものなので、慌てずに対処してほしい。起床や食事、入浴の時間を決めるなど、日常を確保することや、子どもが自分のことばで不安を口にできる時間を作ることなどが大切だ。特に子どもは共感してもらうと安心するので、否定せずに子どもの声を聞いてあげてほしい。また、現状をどう乗り越えるのか子どもと一緒に考えるのも、子どもが成長するいいきっかけになる」と話していました。