競泳 ジャパンオープン中止 東京五輪へ強化日程見えず

競泳 ジャパンオープン中止 東京五輪へ強化日程見えず
新型コロナウイルスの感染が都市部を中心に急速に拡大する中、日本水泳連盟はことし6月に横浜市で予定していた競泳のジャパンオープンの中止を決めました。これにより競泳は7月までの主要な国内大会がすべて中止となったほか、それ以降の大会についても開催の見通しが立たず、来年に延期が決まった東京オリンピックに向けた強化スケジュールが見えない状況が続いています。
日本水泳連盟によりますと、6月に横浜市で開催する予定だった競泳のジャパンオープンについて、新型コロナウイルスの感染が都市部を中心に急速に拡大していることなどから中止を決めたということです。

競泳については東京オリンピックの代表選考会として今月開催する予定だった日本選手権が中止されていて、今回、ジャパンオープンも中止が決まったことで、7月までの主要な国内大会はすべて開催されないことになりました。

連盟によりますと、ことし8月以降に予定されている大会のうち全国高校総体ですでに東京都の予選会の中止が決まったほか、国民体育大会、日本学生選手権にも影響が出る可能性があるということです。

競泳ではトップ選手が出場する国内大会について、いずれも開催の見通しが立っていないことから、来年に延期が決まった東京オリンピックに向けた強化スケジュールが見えない状況が続いています。

日本水泳連盟の幹部は「初めてのケースなうえ、今後、状況がどうなるか全く読めない。様子を見ながら対応していくとしか言いようがない」と話しています。

「相次ぐ大会中止 心身ともに影響」

去年の世界選手権の男子200メートル自由形で銀メダルを獲得した松元克央選手を指導する鈴木陽二コーチは大会中止が相次ぐことで選手の強化面で心身ともに影響が出ると指摘しています。

身体的な影響について鈴木コーチは「練習では出すことができないトップスピードで泳ぐことが少なくなるためレースの感覚も失われるし、トレーニングとしてもスピードに乗った状態で泳ぐ機会が減るので大きなマイナスだ」と話しています。

また、選手の心理的な影響については大会に向けてピークを合わせるという機会がないため、「延期となったオリンピックへ選手のモチベーションを保つ方法を考えないといけないが、国内大会が相次いで中止となったことでことし勢いをつけて来年に臨むという計画を立てづらい状況だ」と話していました。

そのうえで「もし海外で開催される大会があったとしても、移動を含めて感染リスクを考えると出場するのは怖い。早く収束することを祈るばかりだ」と率直な心境を話しました。