安倍首相「緊急事態宣言」あすにも出す方向で最終調整

安倍首相「緊急事態宣言」あすにも出す方向で最終調整
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新型コロナウイルスの感染が東京などで急速に拡大する中、安倍総理大臣は、総理大臣官邸で特別措置法を担当する西村経済再生担当大臣らと会談しました。医療体制の崩壊も懸念されるとして、法律に基づく「緊急事態宣言」を7日にも出す方向で最終調整に入っています。
安倍総理大臣は、6日午後2時半ごろから、およそ20分間、新型コロナウイルス対策の特別措置法を担当する西村経済再生担当大臣、政府の「諮問委員会」の尾身茂・会長と会談しました。

安倍総理大臣は、東京など都市部で、医療体制の崩壊も懸念されるとして、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を7日にも出す方向で最終調整に入っています。

会談では、尾身会長に対し、宣言の前提として早ければあすにも「諮問委員会」を開き、意見を求める方針を伝えたものと見られます。

諮問委員会から見解が示されたのち、総理大臣は、緊急的な措置をとる区域や期間を指定したうえで、速やかに「緊急事態宣言」を行うことになります。

緊急事態宣言が出されると、対象地域の都道府県知事は、住民に対し、生活の維持に必要な場合を除いて、外出の自粛をはじめ、感染の防止に必要な協力を要請できるようになります。

また、学校の休校や、百貨店や映画館など多くの人が集まる施設の使用制限などの要請や指示を行えるほか、特に必要がある場合は、臨時の医療施設を整備するために、土地や建物を所有者の同意を得ずに使用できるようになります。

さらに、緊急の場合、運送事業者に対し、医薬品や医療機器の配送の要請や指示ができるほか、必要な場合は、医薬品などの収用を行えます。

西村経済再生相「現状報告しただけ」

新型コロナウイルス対策の特別措置法を担当する西村経済再生担当大臣は、政府の「諮問委員会」の尾身茂会長とともに、安倍総理大臣と会談したあと、記者団に対し、「現状の報告をしただけだ」と述べました。

官房長官「専門家の意見踏まえ総合的な判断に変わりない」

菅官房長官は、午前の記者会見で、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、「今のところ諸外国のような爆発的な患者の急増は見られていないが、東京をはじめ都市部を中心に感染者が急増し、感染経路の不明な感染者も増加している。今後の状況が、緊急事態宣言に該当するか否かは、基本的対処方針に沿って専門家の意見を十分踏まえたうえで、総合的に判断することに変わりない」と述べました。

そのうえで「国民の皆さんには、密閉、密集、密接の3つの密を避ける行動の徹底など、引き続き、感染拡大の防止に向けたご協力をお願いしたい」と呼びかけました。

また「緊急事態宣言」を出す場合の対応について、菅官房長官は、専門家による「諮問委員会」の意見を聴くとともに、国会に事前に報告する必要があるとしたうえで、「私権が制限される措置をとる可能性があることから、専門家の意見や決定に至った経緯などを、安倍総理大臣から国民に説明するなど、できるかぎり分かりやすく説明する機会を設けたい」と述べました。