新型コロナ 世界15億人超の子どもたちが学校通えず

新型コロナ 世界15億人超の子どもたちが学校通えず
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う学校の休校措置で、世界では15億人を超える子どもたちが学校に通えなくなっていることが国連のまとめでわかりました。
ユネスコ=国連教育科学文化機関によりますと、新型コロナウイルスの感染予防のため、全国規模で休校措置が取られているのは、4月3日の時点で日本のほか、中国やフランスなど世界190の国と地域にのぼっています。

こうした措置で15億4300万人の子どもたちが学校に通えなくなっていて、本来学校に通うべき子どもたちの90%近くにのぼり、その数は1か月前と比べて5倍近くに増加しています。

世界で休校措置が長引くなか、ユネスコは、子どもたちの学習の機会を確保するため、在宅学習を支援するソフトウエアの開発に向けてアメリカのIT企業と協力を始めています。

その一方、英語などの主要言語が理解できなかったり、インターネット環境がなかったりする子どもたちへの支援については具体的な方針を打ち出すことができず課題となっています。

ユネスコ 各国などに対策呼びかけ

学校の休校措置についてユネスコ=国連教育科学文化機関は、当初から休校がもたらす影響を懸念し、各国の政府や教育機関に対策を呼びかけています。

ユネスコのアズレ事務局長は、世界的に休校措置が広がり始めた先月4日、声明を発表し、「一時的な休校措置がこれほどの規模と早さで進むことは前例がなく、長期化すれば教育を受ける権利を脅かす可能性がある」と指摘しました。

そのうえで、休校措置の結果、学校に通う以外に学習支援を受けられない貧しい家庭と、ほかの教育方法で埋め合わせをすることができる豊かな家庭の間で格差が生じ、教育の不平等が悪化するとして懸念を表明しています。

このため各国の政府や教育機関に対策を呼びかけると同時に、ユネスコとしても在宅教育を支援するためのオンラインツールを提供していくとしています。