大相撲 夏場所は2週間延期 初日は5月24日に さらなる変更も

大相撲 夏場所は2週間延期 初日は5月24日に さらなる変更も
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて日本相撲協会は、来月10日から予定されていた大相撲夏場所について「状況がよくなっているとは言えない」として、2週間、延期することを決めました。相撲協会は、今後の感染状況によっては、この夏場所の扱いについて変更の可能性がありうるとしています。
日本相撲協会は、3日午後、東京 両国の国技館で臨時理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた夏場所の扱いなどについて協議しました。

その結果、来月10日から国技館で予定されていた大相撲夏場所について、2週間、延期することを決めました。

これで夏場所の初日は来月24日となり、千秋楽は6月7日の予定です。

またこれに伴って、7月5日から始まる予定だった名古屋場所についても2週間延期する予定で、初日が7月19日、千秋楽が8月2日と発表されました。

理事会のあと会見した相撲協会の八角理事長は、「新型コロナウイルスの感染状況は日々変化しており、現在の状況が日に日によくなっているとは言えない」と述べ夏場所の延期の理由を説明しました。

そのうえで「通常開催を目指しながら無観客での開催や中止を含めて、あらゆる角度から柔軟な姿勢で検討を重ねたい」と述べ、今後の感染状況によっては、夏場所の扱いについて変更の可能性があることも明らかにしました。

延期決断の背景に事態の深刻化

日本相撲協会が本場所の開催延期という異例の決断をした背景には、新型コロナウイルスの感染の状況が先場所よりも大幅に悪化しているという強い危機感があります。

ことし3月、観客を入れずに春場所が開催された際は、国内で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていましたが、感染者の増加数は1日に多くても60人ほどでした。

相撲協会は、力士に体温を毎日測定させたり、宿舎からの外出を禁止したりして、感染拡大の防止策を徹底することで開催に踏み切り、15日間の日程で1人の感染者を出すことなく無事に場所を終えました。

しかし、その後、感染状況は急速に悪化し、現在は国内で連日200人を超える感染者が新たに確認されているほか、先月29日にコメディアンの志村けんさんが亡くなったことも現状の深刻さを印象づけました。

さらに東京都が外出自粛を要請したほかオリンピック・パラリンピックも延期され、1か月前とは段階が大きく変わりました。

相撲協会が開催の延期という決断をしたのは、こうした事態の悪化を受けて先場所のように無事に開催することは現時点で困難だという強い危機感の表れだと言えます。

八角理事長は、会見で「あらゆる角度から柔軟に判断する」と述べ今後、状況によっては場所を中止する可能性についても言及しました。

相撲協会の幹部の1人は「プロ野球が開幕できるかどうかも重要だ」と話すなど、ほかのプロスポーツの判断も重視していて、今月中を目標としていたプロ野球のシーズン開幕やJリーグの公式戦再開は、さらに延期されることになりました。

ひとまず来月24日に決まった夏場所の初日ですが、実際に開催できるかどうかは不透明です。日本相撲協会は、引き続き、難しい判断を迫られることになります。

白鵬「けがを治す時間と考える」

夏場所が2週間延期になったことについて横綱 白鵬は、「世の中が新型コロナウイルスで厳しい中ですが、夏場所が中止ではなく延期になったということは、力士として前向きに受け止めています。私の場合は新しいけがや古傷を治す時間を与えてもらったと考え場所に向けて体調を万全にし、1日1日頑張っていきたいと思います」とコメントを出しました。