フィリピン大統領「違反者がトラブル起こすなら射殺」で物議

フィリピンで新型コロナウイルスの対策として、厳しい移動制限の措置がとられていることに関連し、ドゥテルテ大統領はテレビ演説で「違反者がトラブルを起こすようなら、射殺するよう警察と軍に命じた」と述べ、強硬な取締りも辞さない考えを示し物議を醸しています。
フィリピンでは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとして、首都マニラがあるルソン島全域で先月17日から、およそ1か月にわたって生活に必要な食料品店などの仕事以外では、自宅からの外出を制限する措置がとられています。

これについてドゥテルテ大統領は、1日夜に行ったテレビ演説で「違反者がトラブルを起こし公共の危険となるようなら、射殺するよう警察や軍に命じた」と述べて、強硬な取締りも辞さないという考えを示しました。

フィリピンでは移動制限の措置によって、多くの飲食店が閉店を余儀なくされたほか、従業員が解雇されるなどの影響も出ていて、1日は、マニラで食料や現金の支給を求めるデモがおき、およそ20人が警察に逮捕されるなど国民の間で不満が高まっています。

ドゥテルテ大統領は、これまでも強硬な治安の取締りで、人権活動家などから反発を招いてきましたが、新型コロナウイルスをめぐる対策でも物議を醸しています。