“トップ選手の強化拠点”利用を制限 国内の一部競技団体

“トップ選手の強化拠点”利用を制限 国内の一部競技団体
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて国内の競技団体の一部が2日から今月12日までの間、「ナショナルトレーニングセンター」の選手の利用を制限することが分かりました。競技によってはトップ選手が練習拠点を使えないことになり、今後の選手強化に影響が出ることが懸念されます。
東京・北区にある「ナショナルトレーニングセンター」は国内のトップ選手の強化拠点として整備された、JSC=日本スポーツ振興センターが管理する施設です。

現在は16の競技の選手が利用していますが、このうち、日本テニス協会は2日から今月12日までの間、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために選手に対してテニスコートでの練習を禁止したことが関係者への取材で分かりました。

このほかの競技団体でも、公共交通機関で施設に来た選手はトレーニングジムを使用しないように求めるなど施設の利用を制限しているということです。

関係者によりますと、テニスについては新型コロナウイルスの影響で海外のツアー大会の中止が相次いだことで、トップ選手たちが帰国し、国内の練習拠点としてナショナルトレーニングセンターのテニスコートに多くの選手が集まるケースがあったということです。

日本テニス協会では、「選手の練習場所を奪うことになるが感染者が出てからの対応では遅いと思い苦渋の決断だった。感染のリスクが比較的低いと思われる屋外のコートの確保など協会として選手の新たな練習拠点を探している」と話しています。

ナショナルトレーニングセンターを管理するJSCは先月、施設の利用中止の判断については各競技団体に委ねると周知していて、JSCの担当者は「全競技に対して一律に施設の利用中止を求めることはないが、利用する選手は状況を注視して健康第一で行動してほしい」と話しています。