「少しでも不安解消に」布マスク配布方針改めて説明 官房長官

「少しでも不安解消に」布マスク配布方針改めて説明 官房長官
新型コロナウイルスの感染拡大で、品薄状態が続いているマスクについて、菅官房長官は午前の記者会見で、全国すべての世帯に布マスクを配布する方針を改めて説明し、「少しでも国民の不安解消に取り組んでいきたい」と述べました。
安倍総理大臣は1日の対策本部で、洗濯して繰り返し使える布マスクを全国すべての世帯を対象に、1つの住所につき2枚ずつ配布する方針を明らかにしました。

これについて菅官房長官は午前の記者会見で、「店頭でのマスク不足が続いている現状の中、布マスクを5000万世帯すべてを対象に2枚ずつ配布することとした。布マスクは使い捨てでなく、洗剤で洗えば何度となく利用できることから、増加するマスク需要を抑制するという意味でも有効だ。洗濯などの不便はおかけするが、少しでも国民の皆さんの不安解消に取り組んでいきたい」と述べました。

そのうえで布マスクの費用は1枚当たり200円程度を想定しているとしたうえで、配布については「迅速かつ確実に全世帯への配布を行う観点から、日本郵政の住所配布システムを活用する予定だ。これは日本郵政が把握している住所に対し、ポストへ直接、投かんすることになっている。北海道ですでに実施されている」と述べました。

そして菅官房長官は「まずは全世帯にマスクが届くことが大事だ。そういう中で増産も進んでおり、店頭にマスクが並ぶようになることを期待している」と述べました。

「若者も感染拡大防止に協力を」

また菅官房長官は若い世代の感染リスクに関連して、「若者であっても、重症化するリスクがないとされているわけではなく、感染に対する警戒は必要だ。若年世代の重症化リスクは高くないが、無症状、または症状が軽い方が、本人は気付かずに感染を広げてしまう事例が多く見られる。若者にも社会を構成する一員として、感染拡大防止への協力をお願いしたい」と述べました。

立民 福山幹事長「不安を払拭できない」

立憲民主党の福山幹事長は記者団に対し「マスクを配布することは否定はしないが、国民の不安を払拭(ふっしょく)できるものではない。安倍総理大臣にはマスクの配布ととももに休業などへの補償をすると言ってほしかった。補償について極めて消極的で、具体的な経済対策が出てきていないのは非常に遺憾だ」と述べました。

国民 大塚代表代行「支障にならないならやればいい」

国民民主党の大塚代表代行は、記者会見で「根本的な対策にはならないが、マスクがなくて不安に思っている家庭があるので、ほかの政策や行政の動きの支障にならないのならやればいい。品薄が続いていることについては、流通段階で止まっているのか、製造量が少ないのか、政府が把握して調整すべきだ」と述べました。

公明 北側副代表「よいのでは」

公明党の北側副代表は記者会見で、布マスクの配布について、「ドラッグストアに行っても見当たらず、私も困っているくらいだ。十分な数があるところは受け取ったマスクを融通すればよく、1つの施策としてよいのではないか」と述べ、理解を示しました。

また経済対策について、「終息が見通せない中で何が起きるか分からない。今回の対策で不十分なところがあれば、次の対策を迅速に打ち出すことが必要だ」と述べました。

維新 浅田政調会長「ないよりましだが中途半端」

日本維新の会の浅田政務調査会長は、記者会見で「飛まつが拡散するのを防ぐ効果はあるので、ないよりはましだと思うが中途半端だ。医療機関で使われる『サージカルマスク』でも、コロナウイルスは通過してしまう。ただ、マスクをすることで多くの人が感染予防の自覚を持つ、きっかけになればいい」と述べました。