公的年金運用 外国債券比率を10ポイント引き上げへ

公的年金運用 外国債券比率を10ポイント引き上げへ
公的年金の積立金を運用しているGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、今後5年間の運用方針を公表しました。日銀のマイナス金利政策が長期化していることから、国内債券の比率を10ポイント引き下げる一方、利回りのよい外国債券の比率を10ポイント引き上げるとしています。
およそ170兆円の年金積立金を運用するGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、資産の構成割合である「基本ポートフォリオ」を5年に1度見直していて31日、今後5年間の運用方針を公表しました。

それによりますと現在、国内債券が35%、外国債券が15%、国内株式が25%、外国株式が25%となっているポートフォリオを、国内債券の比率を25%に10ポイント引き下げる一方、外国債権の比率を10ポイント引き上げて25%にするとしています。

これは日銀のマイナス金利政策で国内債券の収益率が落ち込んでいるため、比較的利回りのよい外国債券に資産を振り向けて、収益率を高めるねらいがあります。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大で、株価が不安定になっていることなどから、国内株式と外国株式の比率は現行のまま維持し、4つの資産の比率は25%ずつとなります。

GPIFの高橋則広理事長は、記者会見で「『コロナショック』は、そんなに甘いものではないと考えている。ねらいは長期的なリターンであり、この先の感染状況の推移と株式や債券への影響を見極めながら運用していく。『コロナショック』で足元の評価損益が下がっても、将来の年金給付に影響は全くない」と述べました。