“自粛要請は補償とセットに”東京の飲食業組合

“自粛要請は補償とセットに”東京の飲食業組合
30日、東京都の小池都知事が接待を伴う飲食店などに行くことを当面、自粛するよう呼びかけたことを受けて、都内全域の居酒屋や小規模なスナックやバーなどおよそ8000店舗で作る組合では組合員からの相談対応に追われています。
組合によりますと、新型コロナウイルスの影響で運転資金の融資の相談が、今月になってふだんの10倍の150件以上寄せられていて、このうちおよそ130店舗が合わせて15億円ほどの融資を日本政策金融公庫に申し込んだということです。

東京都飲食業生活衛生同業組合の宇都野知之事務局長は「いわゆる接客を伴う飲食業とは別の業態でもお客様たちには同じように捉えられてしまうので、先週末から30日の知事の発言はかなり大きな打撃です。自粛を要請するのであれば補償とセットにしていただきたいです」と話していました。

そのうえで「2月から相談が増え始め都心で売り上げが半減となるところが増えてきましたが、歓送迎会のシーズンの予約が全滅になったとして、今月に入って10倍以上の相談が来ています。金利の低い融資を紹介していますが、家賃や人件費を借金として抱えられる見通しが立たず、廃業する業者も出ています。まさにまな板の上のこいのような心境です」と話していました。

小池都知事 支援策検討へ

東京都の小池知事は、感染のリスクがあるとして夜に繁華街のバーやナイトクラブなどに行くことを当面自粛するよう呼びかけていることについて、「零細の店も多いことを鑑みて、都として何ができるのか、皆さんが安心できるような態勢を組んでいきたい」と述べ、支援策を検討することが必要だという考えを示しました。

銀座のバー経営者 半分の店は休業に 補償を

30日、小池都知事が接待を伴う飲食店などに行くことを当面自粛するよう呼びかけたことを受けて、東京 銀座でバーを経営する保志雄一さんは、31日から6店舗のうち3店舗を当面の間交代で休業することを決めました。

保志さんは「知事の発言で業種を名指しされてしまい、きのうの客足はふだんの1割ほどにまで減り、苦渋の決断で半分の店舗を当面の間休業することにしました」と話していました。

そのうえで「休業しても家賃は払い続けないといけないので、死活問題です。給料が減るかもしれませんが、スタッフも生活があるので、3店舗は開かざるをえないです。ぜひ補償をお願いします」と話していました。

また、営業する3店舗では、客には入店時に消毒液を手につけてもらい、バーテンダーは首から空間除菌の成分が入った袋を身につける対応をとっていて、2日前からは接客中もマスクをするようにしたということです。