新型コロナ 障害者福祉施設で感染確認95人に 千葉 東庄町

新型コロナ 障害者福祉施設で感染確認95人に 千葉 東庄町
千葉県は新型コロナウイルスの集団感染が確認された東庄町の障害者福祉施設、「北総育成園」で新たに職員の家族ら2人の感染が確認されたと発表しました。これで感染が確認された施設の関係者は合わせて95人となり、入所者の7割が感染していたことがわかりました。
東庄町にある障害者福祉施設「北総育成園」では、これまでに入所者や職員など施設の関係者93人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されていました。

千葉県がさらに関係者のウイルス検査を行った結果、31日夕方、新たに職員の家族とショートステイの利用者が通っていた香取市にある別法人の障害者福祉施設の職員の合わせて2人の感染がわかり、これで関係者で感染が確認された人は95人となりました。

感染した人のうち6割あまりの60人は症状がないほか、職員ら10人は県外に住んでいるということです。

入所者70人と職員67人の検査は終わり、入所者の7割、職員の半数に感染が広がっていたことがわかりました。

千葉県によりますとこれまでに、施設にいた入所者4人が医療機関に搬送されましたが40代から70代までの4人も入院の必要があると診断され、現在、受け入れ先を調整していますが難航しているということです。

このため、千葉県は入所者が重症化しないよう医師らによる経過観察を続けるとともに引き続き職員の家族などのウイルス検査を進めています。

施設では入所者の半数以上 毎日の検温せず

この施設では入所者の半数以上について、毎日の検温が行われていなかったことがわかりました。千葉県は「全員測っていれば事態をもう少し早く把握できた可能性がある」としています。

これまでに施設は「今月27日になって一斉に入所者20人が発熱した」と説明していましたが、県が聞き取りを進めた結果入所者70人のうち半数以上の40人については毎日の検温が行われていなかったことがわかりました。

毎日、検温していたのは体調が変化しやすい人など30人のみで、40人については体調の異変が見られたときしか測っていませんでした。

27日は、ふだん体温を測っている人の中で発熱した人が多かったため全員を検温したところ20人の発熱がわかったということです。

これについて施設は「30人を測るだけで1時間かかり夜勤明けの限られた職員で全員の検温を行うのは難しかった」などと説明しているということです。

県は「結果から言えば、全員の体温を測っていれば感染拡大をもう少し早く把握できた可能性はある」としていて、入所者や職員の健康管理が適切に行われていたかさらに調べることにしています。