重症患者の増加に備え人工呼吸器メーカーに増産呼びかけ 政府

重症患者の増加に備え人工呼吸器メーカーに増産呼びかけ 政府
新型コロナウイルスに感染した重症患者の増加に備えて、政府は人工呼吸器のメーカーに増産を呼びかけていて、新たに設備投資をする際には補助金を出す方向で検討しています。
日本呼吸療法医学会と日本臨床工学技士会によりますと、先月時点で人工呼吸器は全国の主な医療機関に2万2000台以上あります。

この時点では必要とする患者が少ないため、全体の60%は使われず待機している状態ですが、新型コロナウイルスに感染した重症患者が増加すると、人口呼吸器が足りなくなるおそれも指摘されています。

さらにその多くを輸入が占めていますが、各国で需要が高まっているため今後安定して輸入できるか不透明な状況です。

このため経済産業省は人工呼吸器を生産する国内のメーカーに対して増産するよう呼びかけを始めました。人工呼吸器の製造には国の認可が必要で、新たに生産を始めるには時間がかかることから、過去に手がけていたメーカーなどにも生産を再開するよう呼びかけています。

あわせて政府はメーカーが新たに設備投資を行う場合には、その費用の一部を補助する方向で検討していて、増産を促すことにしています。

官房長官「国内供給体制の確保を優先」

菅官房長官は午後の記者会見で「人工呼吸器はこれまでに8000台を超える台数を確保している。政府としては、今後の感染拡大に備えて、メーカーに国内での増産や輸入拡大を働きかけることにより、国内供給体制を確保することをまず優先すべきだと思っている」と述べました。