公演中止で俳優や演出家ら 損失補填求める要望書 政府に提出

公演中止で俳優や演出家ら 損失補填求める要望書 政府に提出
新型コロナウイルスの感染拡大で、演劇など舞台芸術の公演中止が相次ぐ中、俳優や演出家たちが公演中止による損失の補填(ほてん)を求める要望書を政府に提出しました。
俳優や演出家、音楽家など、舞台芸術の分野の有志7人は30日午後、文化庁などを訪れ、要望書と1800人余りの賛同者のリストを提出しました。

演劇など舞台芸術の公演は、政府が先月26日に大規模なイベントなどの自粛を要請したあと、全国で中止が相次ぎ、経営基盤の弱い劇団の中には収入が絶たれ、存続が難しくなっているところが出てきています。

要望書では「多様な表現は、民主主義にとっても重要な意味を持ち、表現が失われることは国民の大きな損失だ」としたうえで、支援策として、公演が中止された時点で主催者が払っていた制作費や、出演者・スタッフが受け取れなくなった報酬などを国が補填することを求めています。

ただ、安倍総理大臣は28日の記者会見で「損失を補填する形で、税金で補償するのは、なかなか難しい」という考えを示していて、30日も文化庁の担当者から支援策についての明確な回答は得られなかったということです。

呼びかけ人で、俳優・演出家のシライケイタさんは「感染拡大の深刻な状況は認識をしているが、今の状況が続けば文化の萎縮につながる。せめて補償があれば、私たちも勇気を出して制作活動を続けていける」と話しました。