米ニューヨーク州 感染者6万人に迫る 医療現場の体制はひっ迫

米ニューヨーク州 感染者6万人に迫る 医療現場の体制はひっ迫
アメリカのトランプ大統領は新型コロナウイルスの感染拡大の深刻化を受け、国民に不要不急の外出を控えるよう求める措置を来月末まで延長すると明らかにしました。感染者が6万人に迫るニューヨーク州では対策が追いついておらず、医療現場の態勢はひっ迫しています。
トランプ大統領は29日、記者会見で国民に不要不急の外出を控えるよう求める措置を来月末まで延長すると明らかにしたうえで、「死亡率のピークは2週間以内に到来する可能性が高い」という見方を示しました。

また政権の対策チームのファウチ博士が「10万人から20万人が死亡するおそれがある」という見解を明らかにするなか、トランプ大統領は「何も対策をとらなければ死者は220万人に達するおそれがある。10万人に抑えられれば、よくやったと言えるだろう」と述べました。

アメリカでは感染者が急激に増加していて、CDC=疾病対策センターによりますと、感染者は世界で最も多い12万2653人、亡くなった人は2112人となっています。

感染者の半数近い5万9513人はニューヨーク州に集中していて、クオモ知事は29日、「ウイルスの広がりがわれわれの対策より先をいっている」と述べ、対策が追いついていないという認識を示しました。

さらに「医療従事者は強いストレスを感じている」として、現場の態勢がひっ迫している状況を認め、不足する人工呼吸器や病床、物資や人員の確保に改めて支援を訴えました。

アメリカではさまざまな企業が人工呼吸器やマスクの生産を支援する方針を示しているほか、州では医療ボランティアの確保も急いでいて、医療崩壊を食い止める取り組みは時間との闘いになっています。