京都 大学で「クラスター」発生か 欧州帰りの学生ら感染

京都 大学で「クラスター」発生か 欧州帰りの学生ら感染
京都府内では、京都市北区にある京都産業大学に通う学生合わせて5人が新型コロナウイルスに感染していることが新たに確認されました。ヨーロッパ旅行から帰国した学生たちから感染が広がっているとみられ、京都市などは、ほかの自治体と連携しておよそ50人について、健康状態などを調べています。
京都市と京都府によりますと、29日、新たに感染が確認されたのは、京都市北区の京都産業大学に通う20代の男子学生5人です。

このうち1人はスペインやフランスなどヨーロッパの5つの国を、すでに愛媛県と石川県で陽性が判明した別の学生とともに旅行して今月14日に帰国しました。

29日、感染が確認された学生5人のうち、他の4人は今月21日に京都市内の飲食店で行われたゼミの送別会に参加していたということです。

旅行した学生たちはほかの送別会やサークルの懇親会にも参加していることから、京都市は、今後、「クラスター」と呼ばれる感染者の集団が発生する可能性が高いとして、参加者およそ50人について、ほかの自治体と連携して健康状態などを調べています。

府内で感染が確認されたのは、合わせて45人になりました。

集団感染回避へ市内の大学に緊急要請

ヨーロッパから帰国した京都産業大学の学生たちから新型コロナウイルスの感染が広がっているとみられることを受けて、京都市は、市内の大学などに対し、クラスターと呼ばれる感染者の集団が発生するリスクを避けることなど、緊急の要請を行いました。

この中で京都市は、渡航先にかかわらず、海外から帰国した学生や教職員を把握し、帰国後2週間の自宅待機と健康観察を徹底すること、懇親会などで、クラスターが発生するリスクを避けるよう工夫し、できない場合には自粛を呼びかけることなどを要請しています。

会見で門川市長は、「京都市は人口の1割が学生のまちだ。大学に対して追加の注意喚起をし、まちぐるみで学生や市民を守っていきたい。重大なクラスターにならないように、すべての大学が教訓として取り組みを進めていくようにお願いしたい」と述べました。

同席した京都産業大学の大城光正学長は、「多方面に心配をおかけし、おわび申し上げたい。大学として、学生への注意喚起を強めたい」と述べました。

そのうえで、新年度の授業の開始は、5月11日まで延期し、新入生のためのオリエンテーションを行う5月5日までは部活動やサークル活動を含め、学生の不要不急の学内への立ち入りを禁止するなどとする対策を明らかにしました。