トランプ大統領 GMに人工呼吸器の製造命じる異例措置

トランプ大統領 GMに人工呼吸器の製造命じる異例措置
アメリカのトランプ大統領は、27日、大手自動車メーカーGM、ゼネラル・モーターズに対し人工呼吸器を製造するよう命じました。これは、大統領権限で民間企業に協力を求めることができる、70年前の法律にもとづくもので、異例の措置として注目を集めています。
アメリカでは、新型コロナウイルスの感染拡大で、各地で医療態勢の整備が進められていますが、重症患者に必要な人工呼吸器の深刻な不足が続いています。

こうした状況を受けて、トランプ大統領は、27日の記者会見で「GMに生産を命じた」と述べ、大統領の権限で民間企業に協力を求める「国防生産法」にもとづいて、人工呼吸器を製造するよう命じたことを明らかにしました。

「国防生産法」は、朝鮮戦争の開戦にあわせて、戦争遂行に必要な物資を確保できるよう1950年に成立した法律で、この法律にもとづいて民間企業に協力を求めるのは、異例の措置だとして注目を集めています。

GMは、すでに人工呼吸器の製造に向けて動き出していましたが、トランプ大統領は、GMの対応が十分ではないため、法律の適用に踏み切ったとしています。

これについて、GMは「われわれは人工呼吸器の需要に応えるために昼夜を問わず働いている。来月から月に1万台以上製造する計画だ」とコメントしています。

人工呼吸器の不足を受け、本来、製造を手がけていないメーカーも対応に乗り出しており日本のトヨタ自動車も、アメリカで人工呼吸器を製造する企業の増産支援を行うと発表しています。