WHO事務局長「ワクチン開発 少なくとも1年から1年半」

WHO事務局長「ワクチン開発 少なくとも1年から1年半」
WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスのワクチンの開発には今後少なくとも1年から1年半かかるという見通しを示しました。また、ウイルスに有効だと証明されていない治療法は控えるよう呼びかけました。
WHOのテドロス事務局長は27日、スイスのジュネーブの本部で開いた定例記者会見で、世界全体の新型コロナウイルスの感染状況について、「50万人以上が感染し、2万人以上の死亡が確認された。悲劇的な数字だ」と述べ、感染が確認された人の合計が世界で50万人を超えたと明らかにしました。

一方、ワクチンの開発についてテドロス事務局長は、「少なくとも1年から1年半かかる」と述べ、来年の春から夏以降になるという見通しを示しました。

また、新型コロナウイルスに有効だと証明されていない治療法は控えるよう呼びかけました。

新型コロナウイルスの有効な治療法は、今のところ確立されておらず、対症療法が中心で、世界ではエボラ出血熱の治療薬として開発中の抗ウイルス薬「レムデシビル」や、マラリアの治療に使われる「クロロキン」などを使った臨床試験が進んでいますが、アメリカでは今月、みずからの判断で「クロロキン」を服用した男性が亡くなっています。

このほか、世界各地で高齢者だけでなく若者が重症化するケースも相次いでいることについて、技術責任者のバンケルコフ氏は、「若者は症状が軽いことがほとんどだが、重症化し、亡くなったという報告もある。若者自身の症状が軽くても体の弱い人に感染させ、重症化し、命に関わる場合もある」と述べ、すべての人がこまめに手を洗い、人との間隔をとるなど、一人ひとりが責任を持って行動する必要があると呼びかけました。