南アフリカ 外出禁止措置開始も徹底されず 新型コロナウイルス

南アフリカ 外出禁止措置開始も徹底されず 新型コロナウイルス
アフリカで新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻な南アフリカでは27日から外出禁止の措置が始まりましたが、経済的に貧しい黒人が暮らす地区では、大勢の住民が政府の呼びかけを守らず課題が浮き彫りになっています。
南アフリカでは、新型コロナウイルスの感染の広がりを受けて27日から、全土で外出禁止の措置が始まり、食料品の購入のための外出も必要最低限に制限されています。

初日は、白人を中心に富裕層が暮らす住宅街などでは多くの住民が自宅にとどまったものの、都市の中心部や、経済的に貧しい黒人が密集して暮らす地区では、大勢の住民がふだんどおりに人が外出しました。

このうち、最大都市ヨハネスブルク近くの地区でも、スーパーで順番待ちの長い列ができました。

生活が苦しく、事前に買いだめできなかった人たちが押し寄せているためで、「その日必要な分の食べ物しか買えないからだ」と話していました。

また、この地区では、感染を防ぐための情報を十分に得られない人も多く、政府の呼びかけに反し、となりの人と一定の距離を保たずに順番待ちをしていましたが、警察官も特に注意することはしていませんでした。

南アフリカ政府は、国民に外出禁止措置の趣旨を尊重するよう呼びかけていますが、世界で最も深刻とされる貧富の格差の問題が新型コロナウイルスへの対策でも浮き彫りになっています。