トランプ大統領 台湾の外交を支援する法案に署名 中国けん制

トランプ大統領 台湾の外交を支援する法案に署名 中国けん制
アメリカと中国が新型コロナウイルスへの対応で互いに非難し合う中、トランプ大統領は台湾が各国との外交関係を維持するのを支援するための法案に署名し、中国へのけん制を強めています。
トランプ大統領は、アメリカ議会の上下両院で全会一致で可決されていた台湾の外交関係を支援する法案に26日署名し、法律が成立しました。

新たな法律は、台湾が正式な外交関係を持つ国と関係を強化できるようアメリカ政府として支援するとともに台湾の安全を損なった国とは外交や経済関係を見直すという内容が盛り込まれています。また、台湾の国際機関への参加も促進すべきだとしています。

トランプ政権は、台湾への大規模な武器の売却を相次いで決めるなど、関係強化を進めてきました。ただ、台湾と断交して中国と正式な外交関係を結ぶ国が相次いでいて、今回の法律は対中強硬派の議員が目指していたものです。

成立を受けてトランプ政権は、台湾と各国との外交関係の維持や、中国の反対で認められていないWHO=世界保健機関の年次総会への参加など、国際機関への参加に向けてさらに働きかけを強めることも予想されます。

これに対して、「1つの中国」の原則を主張する中国は強く反発するとみられ、米中が新型コロナウイルスへの対応で互いに非難し合う中、新たな火種になりそうです。

台湾 総統府「トランプ政権の支持に感謝」

台湾の総統府の報道官は、アメリカで台湾の外交関係を支援する法律が成立したことを受けて「トランプ政権と議会が全力で支持してくれたことに感謝する。アメリカは、台湾にとって最も重要な国際協力のパートナーだ。今後もアメリカ、それに、理念の近い国々と民主主義と繁栄の価値を分かち合いながら関係を強化し、台湾がさらに国際貢献ができるようにしていきたい」というコメントを発表しました。

中国外務省「断固反対 必ず反撃」

中国外務省の耿爽報道官は27日の記者会見で、アメリカで台湾の外交関係を支援する法律が成立したことについて、「『1つの中国』の原則に著しく反し、中国の内政に干渉するものであり、中国は強い不満を表明し、断固反対する。アメリカには間違いをただすように促し、この法律を実施しないでもらいたい。さもなければ、中国は必ず断固とした反撃を加えるだろう」と述べ、強く反発しました。