自動車各社 国内工場で生産停止の動き広がる 新型コロナ

自動車各社 国内工場で生産停止の動き広がる 新型コロナ
新型コロナウイルスによる自動車メーカーの国内生産への影響が一気に広がっています。

ホンダやトヨタ、マツダが一時停止

ホンダは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で部品の調達が難しくなっていることから埼玉県にある狭山工場について来月16日から2日間、車の生産を一時停止することを決めました。

また熊本製作所もヨーロッパで販売が減少していることから来月13日から2日間、バイクの生産を一時停止します。

自動車メーカーの間では、トヨタ自動車やマツダも国内の工場の稼働を一時停止することにしていて、新型コロナウイルスの感染拡大で国内の生産にも影響が広がっています。

日産と三菱も一時停止へ

新たに日産自動車と三菱自動車工業がそれぞれ一部の工場で生産を一時的に停止することを決めました。

日産によりますと、生産を一時停止するのは、いずれも来月から5月1日にかけて、小型車や電気自動車を生産する神奈川県の追浜工場が合わせて4日間、高級ブランドの車種を生産する栃木工場が14日間です。

また子会社の日産自動車九州も来月2日から来月いっぱいは夜勤の時間帯で生産を停止します。

生産の停止は、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に車の需要が落ち込んでいることに対応するためだとしています。

さらに三菱自動車工業も、岡山県倉敷市にある水島製作所で、27日の夕方から来月10日まで軽自動車の生産を一時的に停止するということです。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、部品が十分に確保できないためだとしています。

スズキも一時停止へ

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、海外からの部品の調達が難しくなっていることからスズキは、静岡県内の自動車などの生産工場を来月1日から3日間、一時停止することになりました。

生産を一時停止するのは、スズキの静岡県牧之原市と湖西市、それに磐田市にある、自動車を生産する工場と、浜松市にあるバイクの工場です。

会社によりますと、これらの工場では、海外からの部品の調達が滞っているため、一部の部品の生産をのぞいて、来月1日から3日まで稼働を停止するということです。

新型コロナウイルスの影響でヨーロッパやアメリカ、それにアジアの一部などで操業の停止が広がる中、国内の生産にも影響が拡大することで、各社の業績への影響は避けられない見通しです。

世界で感染拡大 自動車業界の影響深刻化

新型コロナウイルスの感染がアメリカやヨーロッパをはじめ世界的に拡大したことで、自動車メーカー各社は、車の需要が急速に減少する事態に直面し、国内での生産調整を余儀なくされています。

新型コロナウイルスによる自動車メーカーへの影響は、当初は、中国が中心でした。

中国国内にある日本の自動車メーカーの工場が相次いで生産停止に追い込まれたほか、中国から日本への部品の供給にも影響が出ました。

中国にある工場は現在、すべて再開していますが、現地では、先月の新車販売台数が去年の同じ月よりも80%近くと大幅な減少になり、販売面の影響は当面続くとみられています。

さらに、感染がヨーロッパやアメリカなどに急速に広がったことで、日本のメーカー各社の工場は、世界各地で操業停止に追い込まれています。

世界的に部品の供給網にも滞りが出ているほか、販売の落ち込みも深刻になる見込みで、需要が急激に減少する事態を前に各社は国内での生産調整を余儀なくされています。

自動車産業は、部品メーカーも含めてすそ野が広いことが特徴です。自動車メーカーの幹部からは、「手の打ちようがない事態だ」という声も聞かれ、生産や販売への影響がどこまで深刻になるか、懸念が強まっています。