阪神 藤浪 新型コロナウイルス陽性 プロ野球選手で初

阪神 藤浪 新型コロナウイルス陽性 プロ野球選手で初
プロ野球・阪神の藤浪晋太郎投手が新型コロナウイルスの検査を受けた結果、陽性だったことが球界関係者への取材でわかりました。プロ野球選手で感染が確認されたのは初めてです。
藤浪投手は数日前からコーヒーを飲んだ時などににおいを感じないという体調不良があり、発熱やせき、けん怠感などの症状はありませんでしたが、医師の判断で新型コロナウイルスに感染しているかどうか確かめるPCR検査を受けました。

そして球界関係者によりますと、検査の結果、陽性だったということです。

プロ野球選手で感染が確認されたのは初めてです。

阪神は25日までの2週間、藤浪投手と一緒に食事をした選手の中で2人が味覚に違和感を訴えているため、この2人も念のため検査を受けさせています。

阪神は本拠地の甲子園球場や2軍の球場などの消毒作業を行ったほか、選手や球団職員などチーム関係者に対して、26日から少なくとも1週間、自宅で待機するよう指示しています。
藤浪投手はプロ8年目の25歳。大阪桐蔭高校のエースとして甲子園で春夏連覇を達成するなど活躍し、平成25年にドラフト1位で阪神に入団しました。

2メートル近い長身から投げ込む150キロを超える速球を持ち味に、1年目から10勝をあげるなどルーキーイヤーから3年連続でふた桁勝利をマークしました。

しかしここ数年はコントロールに苦しみ、昨シーズンは1軍で1試合の登板にとどまり、プロ入り後、初めて勝ち星なしに終わりました。

復活を目指す今シーズンは開幕からの先発ローテーション入りを目指し、オープン戦など実戦でアピールを続けていました。
阪神の谷本修球団本部長によりますと、藤浪投手は今月24日、トレーナーに対し、「においがわからないので病院に行ってきます」と伝えたということです。

この日は兵庫県内の耳鼻いんこう科と内科を受診しましたが、季節特有のアレルギーなどと診断されたということです。

藤浪投手は翌日、25日の朝、コーヒーを飲んだときにもにおいを感じなかったため、チームドクターの紹介で兵庫県内の別の耳鼻いんこう科を受診して新型コロナウイルスへの感染が疑われ、確認のための検査を受けていました。藤浪投手にこれまでのところ発熱やせき、けん怠感などの症状はないということです。

ほかにも2人の選手が味覚に違和感

また、藤浪投手のほかにも2人の選手が味覚に違和感を訴えています。

2人は今月14日、藤浪投手と一緒に食事をしていて、球団の聞き取りに対し「みそ汁の味がしない」「味を感じない気がする」などと話しているということです。

今回、発熱やせき、けん怠感などの症状がないにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染が確認されたため谷本球団本部長は念のため球団内で注意喚起をしたほか、ほかの球団とも情報を共有したということです。

選手のPCR検査は

プロ野球で選手にPCR検査で陽性反応が出た時の対応について、NPB=日本野球機構は今月12日に感染症の専門家チームから受けた提言に沿って各球団で取り組むことを決めています。

提言では
▼チームドクターや専門家チーム、アドバイザーに相談したうえで、濃厚接触者の抽出や集団発生に対するリスク管理を行うことや
▼陽性反応が出た本人は入院または自宅での療養を行い
▼濃厚接触者も自宅で待機させることを求めています。

▼このほかの選手や関係者は原則、チームの動きに従い予定どおり試合や練習をするとしていて、チーム全体の活動はこの時点では停止しないものの、検温などの健康チェックを厳しく実施するとしています。

阪神は今回、藤浪投手がPCR検査を受けた26日の時点で練習や2軍の練習試合を取りやめ、1軍と2軍のすべての選手や球団職員などのチーム関係者に対し、少なくとも1週間は自宅で待機するよう指示を出しました。

セ・リーグ6球団は、今後の対応について27日午後、臨時の理事会を開き対応を協議することにしています。

練習試合を中止

広島とソフトバンクは阪神と予定していた2軍の練習試合を中止にしました。広島は27日から29日まで山口県岩国市の由宇球場で、ソフトバンクは来月3日から5日まで福岡県筑後市などで試合を予定していました。