日銀 安達審議委員「今は中小企業の資金繰りが重要」就任会見

日銀 安達審議委員「今は中小企業の資金繰りが重要」就任会見
日銀の金融政策を決める審議委員に証券会社でエコノミストを務めた安達誠司氏が就任し、記者会見で新型コロナウイルスの感染拡大が経済に与える影響に危機感を示し、今は中小企業の資金繰りを支えることが重要だと強調しました。
安達氏は、国内や外資系の証券会社でエコノミストなどを務め、26日付けで日銀の新しい審議委員に就任しました。

就任の記者会見で安達氏は、新型コロナウイルスの感染拡大が経済に及ぼす影響について、「不確実性が極めて高く危機感と緊張感を持っている。いつになったら底を打つのか全く見えない状況だ」と指摘しました。

そのうえで、今後の日銀の政策について「景気の浮揚よりも、中小企業を資金繰りの悪化で破綻させないようにする政策をとるべきだ」と述べ、当面は、企業の資金繰りを支えることが重要だという考えを示しました。

また、感染拡大による景気の急激な落ち込みを防ぐため、アメリカをはじめ海外の中央銀行が相次いで利下げに踏み切るなか、日銀も現在マイナスの政策金利をさらに引き下げる必要があるかという質問に対しては、「新型コロナウイルスの感染拡大がおさまり、日本経済が再び浮上に向かうときに必要だと思う」と述べ、現時点では利下げは必要ないという認識を示しました。