高速船の物体衝突事故 衝突しても乗客のけが減らす対策を

高速船の物体衝突事故 衝突しても乗客のけが減らす対策を
去年、新潟県の佐渡沖でジェット高速船が、くじらの可能性がある物体に衝突し、乗客100人余りがけがをした事故で、運輸安全委員会は報告書をまとめました。船長らが衝突した物体を確認してから事故を避けることは難しかったとしたうえで、船の所有者に衝突をしても乗客のけがを減らせる対策を取るよう求めています。
去年3月、新潟港から佐渡市の港に向かっていたジェット高速船「ぎんが」が、くじらの可能性がある物体に衝突し、乗客乗員109人がけがをしました。

運輸安全委員会が公表した報告書によりますと、船長が衝突した物体を目で確認して、回避する操作を始めた時の船からの距離は、およそ30メートルで衝突の1.4秒前だったと推定されるということです。

そのうえで、物体が海の中にあったため、船長は近づくまで確認できず、この距離では事故を避けるのは難しかったと考えられると結論づけました。

この事故では38人が腰の骨を折る大けがをしましたが、物体が衝突した場所が船の後部の「水中翼」で、船尾が海面に打ちつけられたため乗客が強い衝撃を受け、多くの人の大けがにつながったとみられるとしています。

このため運輸安全委員会は衝突事故が起きても、乗客のけがを減らせる対策が必要だとして、国土交通省に勧告を行い、ジェット高速船の所有者に、船の座席を衝撃を吸収しやすいシートにするなどの対策を指導するよう求めました。