中朝貿易額が大幅減 北朝鮮 外貨獲得で打撃 新型コロナ影響

中朝貿易額が大幅減 北朝鮮 外貨獲得で打撃 新型コロナ影響
中国政府が発表した貿易統計で、ことし1月と先月を合わせた北朝鮮からの輸入額が前の年の同じ時期に比べて、70%以上減ったことが分かり、新型コロナウイルスの影響で中朝間の物流の動きが鈍り、北朝鮮が外貨獲得で打撃を受けていることが明らかになりました。
中国の税関当局は、ことし1月と先月を合わせた貿易統計を発表し、北朝鮮からの輸入額は前の年の同じ時期より71.9%少ない1067万ドル、日本円でおよそ11億7000万円でした。

また、北朝鮮への輸出額も前の年の同じ時期より23.2%少ない、1億9739万ドル、日本円でおよそ217億8000万円でした。

北朝鮮は、新型コロナウイルスの流入を防ぐため、中国との間で2か月近く、列車や航空便を停止するなど中朝間の物流の動きが鈍っていて、中国による北朝鮮からの輸入額が大幅に減ったことで、北朝鮮が外貨獲得で打撃を受けていることが統計上でも明らかになりました。

北朝鮮は今月、国営のウェブサイトに掲載した記事で「ウイルスの流入を防ぐため、ばく大な経済的損失を甘受しながらも、防疫措置を講じることは、誰にでも決心できることではない」と伝え、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長をたたえながらも、経済的な影響は避けられないという見通しを示していました。